
こんにちは。管理栄養士のてんぱぱぱです。
今回は心不全について考えていきます。
厚生労働省が発表している2018年(平成30年)の死因では、心疾患は15.3%で第2位となっています。
心疾患は自覚症状が出た時には、かなり悪化してしまっていることが少なくありません。
大切なのは、自覚症状が出る前の「かくれ心不全」をみつけることです。

でも症状が出る前にどうやって心不全をみつければいいのでしょうか?
実は専門的な検査をしなくてもかくれ心不全をみつけるポイントがあるんです。
かくれ心不全を見つけて、健康寿命を延ばしちゃいましょう。
心不全予防のために、かくれ心不全をみつけよう
心不全は全身に影響する
わたしたちの身体全体に血液を届けるためのポンプの役割を果たす心臓。
この心臓が元気に生きていくための十分な血液を送り出せない状態を総称して「心不全」と呼びます。
心不全には、2つの状態があります。
①心臓の下流に血が流れなくなってしまう状態
②上流に血が溜まってしまう状態
①では臓器に栄養が行き届かず、だるくなったり臓器不全が起きたりします。
②では心臓の上流にある肺が水浸し状態(胸水)になり、おぼれたときと同様の息苦しさを引き起こします。そして全身が浮腫みます。
少し詳しく説明していきます。
心臓には大きく2つの回路があります。左心系と右心系です。
右心系:全身から心臓へ帰ってきて肺へ出ていく回路
左心系の症状としては低酸素血症が病気の本態となります。
【左心系の症状】
- 労作時呼吸困難、進行して安静時呼吸困難
- 起座呼吸(座っていた方が息が楽な状態)
- 動悸(不整脈とは限りません)
- 四肢のチアノーゼ
右心不全は単独で起こることより左心不全に引き続いて両心不全の一部として起こる事が多いです。
右心系の症状は全身から心臓への還流できないことが本態になります。
【右心系の症状】
- 顔面・四肢の浮腫
- 食欲不振 (腸管浮腫が出てきます)・重症になると腹部膨満・陰嚢水腫など
- うっ血肝 (採血でも肝機能の数値が上がります)
- 体重増加 (筋肉や脂肪が増えているのではなく、水が増えているだけです)
- 頸静脈の怒張

上記①は左心不全、②は右心不全の状態という事ですね
「かくれ心不全」をみつけよう
一方でまったく症状が出てない人もいます。
心臓はすごく健気は臓器で、悪くなっても症状を出さずに頑張ってしまうのです。
その為、気づいたときにはかなり悪化してしまっていることも少なくありません。
だからこそ、自覚症状がない「かくれ心不全」の段階でみつけることが非常に重要です。
自覚症状のない「かくれ心不全」でも、みつける術はあります。
そのひとつが首の皮膚が揺れるというサインです。
血液が滞って心臓の上流に溜まると、肺と同時に首にも溜まり、それが皮膚の揺れとしてあらわれます。
一度覚えてしまえば誰でもわかる方法なので、確認するようにしてみましょう。
心不全治療はバランスよく
心不全は命に直結する病気だからこそ、専門の医師が的確に診断し、息苦しさなどの症状を改善する対症療法と複数ある原因をひとつひとつ取り除く根本的な治療を組み合わせていくことが大切です。
これは心不全自体の様々な要素に加えて、全身の健康状態や、さらにはその人の社会的背景まで考慮する必要があります。
心不全は高齢者がなりやすく、ほかにも病気がある割合が高いため、心臓のことだけを考えた治療ではほかの病気に悪影響が出かねません。
患者さんにあったバランスのよい治療が大切なのです。
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