朝食の欠食と血糖値に関連する学術記事まとめ~朝食の欠食と糖尿病~

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てんぱぱぱ
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こんにちは。管理栄養士のてんぱぱぱです。

今回は、朝食の欠食と血糖値についてです。

 

以前2型糖尿病と朝食の欠食との関係とはの記事で、朝食の欠食と2型糖尿病の関係についてまとめた系統的レビューと前向きコホート研究のメタアナリシスについてご紹介しました。

 

そもそもメタアナリシス(meta-analysis)とは、「複数の研究結果を統合し分析したもの」であり、様々な研究結果をもとに結論をだしたものとなっています。

 

しかし私は気になってしまった。

朝食の欠食と血糖値に関する研究ってほかにどんなものがあるんだろう?

・・・と。

 

そこで今回は、朝食の欠食と血糖値に関連する6つの学術記事について要点をまとめてみました。

興味のある方は是非読んでみて下さいね。

 

 

6日連続の朝食欠食が若年健常者のエネルギー代謝と血糖値の変動に及ぼす影響

<著者名(敬称略)>

緒形 ひとみ 他(広島大学 大学院総合科学研究科 行動科学講座 )

内容

本研究では、朝食欠食が生体に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。

方法

健康な男性10名を対象に1日の摂取エネルギー量は等しい6日間の食事介入(1日3食摂取または1日2食(朝食欠食))実験を行う。

食事介入期間中は持続血糖測定を行い、介入6日目には安静座位を保ってエネルギー代謝を測定した。

結果

  1. 朝食欠食では、就寝前の血糖値が有意に高値を示した。
  2. 朝食欠食では、食事介入1日目のみ昼食後の血糖値が大きく上昇した。
  3. 食事介入6日目は座位安静を保ってエネルギー代謝測定を行ったため、平均血糖値が高いという結果となった。
  4. 24時間のエネルギー消費量や酸化基質に違いは認められなかった。

以上の結果より、安静と朝食欠食が血糖値の上昇をもたらすことが示され、血糖コントロールにおける身体活動と朝食摂取の必要性が示唆された。

 

朝食欠食、マクロニュートリエントバランスが若年健常者の食後血糖値、満腹感、エネルギー消費量、および自律神経活動へ及ぼす影響

<著者名(敬称略)>

  • 永井 成美(岡山県立大学保健福祉学部栄養学科)
  • 坂根 直樹(独立行政法人国立病院機構京都医療センター臨床研究センター予防医学研究部)
  • 森谷 敏夫(京都大学大学院人間・環境学研究科応用生理学研究室)

内容

本研究は、朝食欠食や食事中の三大栄養素の比率(マクロニュートリエントバランス)が食後の血糖値、満腹感、エネルギー消費量、および自律神経活動に及ぼす影響を肥満関連遺伝子多型とともに比較検討したものである。

方法

若年健常者8名に、各被験者の体重1kgあたり22kcalに調整した総摂取エネルギーが等しい4試行の朝食と昼食の組み合わせ (CC : ご飯を主食とする高糖質食+高糖質食、SC : 欠食+高糖質食2食、FF : パンを主食とする高脂肪食+高脂肪食、SF : 欠食+高脂肪食2食) を4日間でランダムな順序で負荷し、朝食前および朝食後6時間まで30分間隔で、血糖値、Visual analog scaleによる満腹感、呼気ガス、心拍変動解析による自律神経活動を測定した。

結果

  1. CC試行ではFF試行よりも朝食後3時間の血糖値、満腹感、エネルギー消費量が有意に高く、6時間の熱産生も4試行中最も高値であった。
  2. 高い満腹感や熱産生には有意差はなかったが自律神経系の関与が推察された。
  3. 朝食欠食 (SC、SF) 試行では熱産生が低く、昼食後に心拍数の著増を認めた。
  4. 肥満関連遺伝子であるUCP 1遺伝子のhomo変異 (GG) を有する者では、熱産生が低い傾向が認められた。

以上の結果は、耐糖能正常者において糖質を主体とする朝食の摂取が肥満予防に寄与する可能性とともに、遺伝的背景へ配慮した予防の必要性を示唆するものである。

 

昼食後血糖に及ぼす朝食の影響

<著者名(敬称略)>

林 詩央里、高部稚子、小椋真理、八木雅之、米井嘉一
(同志社大学大学院生命医科学研究科アンチエイジングリサーチセンター・糖化ストレス研究センター)

内容

近年、朝食の欠食と糖脂質代謝関連の生活習慣病との関連が注目されている。今回、朝食の有無と種類が昼食後血糖に及ぼす影響について検証した。

方法

対象は健常者11 例(男性4 例、女性7 例、22.5 ± 3.7 歳)とし、次の4 回の血糖試験に参加した。

朝食として

  1. 白飯200g(294 kcal)、P:F:C=6:0:94、食物繊維1.0g
  2. コンビニエンスストア食(624 kcal)、P:F:C= 7:45:48、食物繊維2.4g
  3. 牛丼:(630 kcal)、P:F:C=11:41:48、食物繊維1.5g
  4. 朝食欠食

とし、昼食時に白飯を摂取後血糖試験を行った。

被験食摂取開始から15、30、45、60、90、120 分後に自己血糖値測定器にて測定した。

又別日の測定した早朝空腹時血清グルカゴン値との相関性について解析した。

結果

  1.  朝食を欠食すると朝食(白飯)を摂取した時に比べて昼食(白飯)摂取後の血糖上昇が顕著であった。
  2. 朝食の食種による比較では、昼食摂取直前の空腹時血糖値は、コンビニ朝食80.5 ± 2.6 mg/dL、牛丼朝食93.1 ± 1.9 mg/dL、白飯朝食82.6 ± 3.1mg/dLで、コンビニエンスストア食、白飯、牛丼の順に上昇しやすい傾向を認めた。
  3. 早朝グルカゴン値は朝食後の血糖上昇との正相関を認めたが、昼食後血糖とは無相関であった。

以上の結果より、栄養バランスの良く腹もちの良い朝食を摂取することが、昼食後の食後高血糖予防に有効である可能性が示唆された。

 

朝食の摂取習慣と摂食の有無が男子大学生の体温、血糖値と自覚症状に及ぼす影響

<著者名(敬称略)>

足立稔、笹山健作

(岡山大学大学院教育学研究科生活・健康スポーツ学系)

内容・方法

本研究では朝食摂取習慣に着目し、朝食摂取習慣を持つ者と持たない者がそれぞれ朝食を摂取した場合または搾取しなかった場合に、生体にどのような反応の違いがみられるのかを、男子大学生24名を対象に、体温、血糖値と自覚的症状の調査・測定を通して検討した。

結果

  1. 朝食を摂食しないと昼食までの午前中の時間帯に体温と血糖値が上昇しないこと
  2. 朝食を摂取することで自覚症状の訴え率が低くなること
  3. 朝食摂取習慣がない者は朝食前の体温が低く朝食を食べないと低体温が午前中続くこと
  4. 朝食摂取習慣がない者は朝食を摂取した場合でも午前中のエネルギー供給を脂質代謝に依存する傾向が強いこと

が示された。

以上のことから、朝食を摂取することに加え、朝食を摂取するような生活習慣を確立することの重要性が示唆された

 

2型糖尿病患者において朝食の欠食は持続的な血管硬化に関連する

<著者名(敬称略)>

著者:三田 智也1)、遅野井 雄介1)、遅野井 健2)、斎藤 三代子2) 中山 志保1)、染谷 由希1)、石田 英則2)、五所 正彦3)、綿田 裕孝1)
著者所属:1)順天堂大学 2)那珂記念クリニック 3)筑波大学

内容

生活習慣が血管の硬化に与える影響を明らかにすることを目的に、心血管イベントの既往のない2型糖尿病患者を対象に様々な生活習慣と血管硬化の指標であるbaPWVの関連性を調査した。

baPWV (brachial-ankle pulse wave velocity) 上腕-足首脈波伝播速度とは・・・
心臓からの血液が押し出される際に生じる動脈の脈動が末梢へと伝播する波が脈波であり、血管が硬いほど速く伝わるという原理を利用して、血管の硬化を簡便に検査できるのが脈波伝播検査である。両上腕、両足首に血圧測定カフ(腕帯)を巻いて、血管を流れる血液の脈動の速さ測定する。

方法

本研究では、順天堂医院等の外来に通院中の心血管イベントの既往のない2型糖尿病患者736名を対象に質問紙などを使用して生活習慣を調査し、研究開始時、2年後、5年後にそれぞれbaPWVを測定することで、生活習慣と動脈硬化との関連性を解析した。

生活習慣に関しては、朝型あるいは夜型などの生活パターン、睡眠時間、睡眠の質、うつ状態、食事のカロリー、身体活動量、飲酒量、喫煙の有無、朝食の欠食や夕食の時間などを調査項目としました。

結果

  1. 朝食の欠食回数が多い人は毎日朝食を摂る人に比べ、baPWVの値(血管の硬さの指標)が5年に渡って高く出続けることを発見した。
  2. 年齢、性別、血糖コントロールや血圧などオーソドックスな動脈硬化の因子を調整しても、朝食の欠食回数は、baPWVの持続高値に関連していた。
  3. 1週間の朝食の回数によりグループに分けて、各群の特徴を比較をしたところ、朝食の回数が4回未満のグループの患者では、夜型の生活パターン、睡眠の質が不良、うつ傾向、アルコールの摂取量が多い、夕食時間が遅い、中食や外食の頻度が多いなど他の悪い生活習慣が集積していた。そのような患者では、5年に渡り、BMIが高い、HDL(善玉コレステロール)が低い、そして尿酸値が高く、さらに、baPWVが高値であることが明らかになった。

このことから、朝食の欠食が多い患者では、他の悪い生活習慣や動脈硬化の危険因子(BMI高値、HDL低値や尿酸高値)が集積することが、血管の硬化に影響した可能性があるが、さらに詳細な解析を進めたところ、これらの因子とは独立して、朝食の欠食が多い患者では血管の硬化が続くことが明らかになった。
以上より、朝食の欠食そのものが動脈の硬化に悪影響を与えることが明らかになった。

 

朝食を抜くと血糖値が上昇しやすくなる

<著者名(敬称略)>

ダニエラ ヤクボウィッチ教授らの研究チーム(イスラエルのテルアビブ大学糖尿病ユニット)

内容

朝食をとらないことが、その日の血糖コントロールにどう影響するかを調べることを目的とする。

方法

過体重の2型糖尿病患者22人(平均年齢57歳、罹病期間8.4年、BMI28.2、HbA1c7.7%)を無作為に割り付けるクロスオーバー試験とする。

参加者に1日目は3食を摂取してもらい、2日目は朝食を抜き昼食と夕食だけとして、血糖値を比較する。

それぞれ食事の内容は、ミルク、ツナ、パン、チョコレートバーで、正確にカロリーを等分して行う。

結果

  1. 朝食を抜いた日の血糖値のピークは、昼食後268mg/dLで、夕食後は298mg/dLだった。
    これに対して、朝食を食べたときの昼食および夕食後の血糖値のピークは、それぞれ192mg/dL、215mg/dLで、血糖値の急な上昇が抑えられていた。
  2. インスリン分泌のピークは、朝食を抜くと30分遅れることが判明した。

以上のことより、朝食をとらないことが、その後の食事後の血糖値の急な上昇(食後高血糖)につながるだけでなく、その日のインスリン反応が悪くなることが示された。

 

<朝食の欠食により、その後血糖が上昇する理由の推察>

  1. インスリンを分泌する膵臓のβ細胞は、夕食と翌日の昼食の間に、空腹の時間が長時間におよぶと「メモリ」を失い、インスリンを分泌するという重要な役割を「忘れる」という現象がみられる。そのため、朝食を抜くと、昼食後にβ細胞がインスリンを分泌する機能を回復するために時間がかかる。よってインスリン反応に低下と遅延が起こり、結果として1日の血糖値が上昇しやすくなる。
  2. 前日の夕食から昼食までに空腹の時間が長く続くと、血中の遊離脂肪酸が増加し、血糖値を下げるインスリンの働きが悪くなる可能性がある。

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