がんサバイバーのサプリメント使用効果について

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こんにちは。管理栄養士のてんぱぱぱです。

 

皆さんはがんサバイバーという言葉をご存知でしょうか?

 

サバイバーを直訳すると「生存者」という意味になります。

ですので「がんを完治して生き残った人」というイメージを持っている方もいるかもしれませんが、実はそういう意味ではありません。

 

がんと診断された直後から、治療中の人も含めて「がんサバイバー」と世界的に呼ばれています。

つまり、がんを体験した人はみんながんサバイバーなのです。

 

がんと告知されると、それがどのような状態のものであれ、すべての方が将来に不安を感じることでしょう。

そのような不安を払拭するためにサプリメントの使用を考える方もいると思います。

 

今回は、がんと診断された後のサプリメント利用が、総死亡率、がん死亡率、がん再発に及ぼす影響について検証した研究についてご紹介したいと思います。

 

こちらの内容は、日本ニュートリション教会の情報を元に作成しています。

 

研究報告

はじめに

■持病のある方はサプリメントの利用には注意が必要です。

一方で、持病の悪化予防や再発予防といった2次予防、3次予防として、栄養療法が注目されるようになり、サプリメントの活用が検討されるようになってきました。

今回紹介するものは、学術誌Nutrition and Cancer(がんと栄養学)の最新号に掲載されたがん患者のサプリメント利用に関する報告です。

いくつかのサプリメントでがん患者の予後改善が確認されました。

サプリメントの2次予防、3次予防に関するエビデンスが確立され、科学的根拠ある選択肢となることが期待されています。

 

研究報告内容

《がん診断後のダイエタリーサプリメントの利用と総死亡率、がん関連死亡率、再発の関係:システィマティックレビューとメタアナリシス》

【研究目的】
本研究は、がんと診断された後のサプリメント利用が、総死亡率、がん死亡率、がん再発に及ぼす影響について検証した。

 

【研究方法】
文献データベースとして、PubMedとCochrane Libraryを用い、本研究の目的に合致する観察研究と無作為化臨床試験について2019年4月までの収載論文から収集した。

該当論文を統合して得られたリスク比は、交絡因子を制御する統計手法・変量効果モデルで解析を行った。

 

【研究結果】

カルシウムサプリメントの使用について

  • 全がん患者を対象にした場合、総死亡率が12%低下(RR = 0.88、95%CI:0.77-1.00)していた。
  • がん関連死亡率が29%低下(RR = 0.71、95%CI:0.53 -0.95)していた。
  • 大腸がんサバイバーでは、がん関連死亡率が34%低下(RR = 0.66、95%CI:0.47-0.94)していた。

 

ビタミンDサプリメントの使用もついて

  • 総死亡率の14%低下(RR = 0.86、95%CI:0.76-0.99)に関連していた。

 

乳がんサバイバーのサプリメント使用について

  • ビタミンCサプリメント利用者では、総死亡率の21%低下(RR = 0.79、95%CI:0.68-0.92)と再発率24%低下(RR = 0.76、95%CI:0.64-0.91)が確認された。
  • ビタミンDサプリメントでは総死亡率の15%低下(RR = 0.85、95%CI:0.72-0.99)が確認された。
  • ビタミンEサプリメントでは総死亡率の24%低下(RR = 0.76、95%CI:0.64-0.90)と再発率31%低下(RR = 0.69、95%CI:0.55-0.85)が確認された。
  • マルチビタミンサプリメントでは再発率の21%低下(RR = 0.79、95%CI:0.64-0.97)が確認された。

 

【結論】
本研究の統合研究の結果は主に観察研究のデータに基づいたものである。

サプリメント使用のエビデンスを確立するためには、無作為化比較対照臨床試験による検証が必要といえるだろう。

 

考察

本研究はシスティマティックレビューとメタアナリシスです。

 

システマティックレビューは、過去に行われた臨床研究を網羅的・系統的に調査して同質の研究を集め、バイアスの危険性を評価しながら分析・統合する方法です。

さらに臨床研究を信頼できるものにしぼり、それぞれに重み付けを行ったうえで、効果指標の値を統計学的手法で定量的に統合する方法がメタアナリシスです。

システィマティックレビューとメタアナリシスはエビデンス(医学的根拠)レベルが高い信頼できる研究といえます。

 

その信頼性の高い研究結果としてサプリメントによる死亡率や再発率の低下が確認されたのです

これはがんと闘うサバイバーの方々の希望につながる結果となると思います。

 

しかし、サプリメントの利用ががん治療に逆効果であるという内容の研究も実は存在しています。

  • 肺がんの場合はビタミンEが転移リスクを高める可能性がある。
  • 抗酸化作用のあるサプリを飲むと悪性黒色腫の転移リスクが2倍になる。
  • 抗がん剤との併用で、相互作用や副作用が生じることがある。

がん治療をする際に、標準治療だけでは不安になってしまう気持ちはとてもよくわかります。

サプリメントの使用を考えることもあるでしょう。

 

しかしサプリメントは適正に使用することが非常に重要です。

使用する時は医師に必ず相談をするようにしましょう。

 

またサプリメントはそもそも栄養を補うためのものです。

あくまで補助的なものですので、まずは普段の生活や食事内容を見直すことが大前提となります。

サプリメントは薬ではありませんので、薬のような大きな効果を望むべきではないのです。

サプリメントに過剰な期待をしないこと!!

でも今回の研究結果がみなさんの希望につながることを願っています。

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