クロム(Cr)とは 初心者でもわかる簡単要点まとめ。

栄養基礎知識
てんぱぱぱ
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こんにちは。管理栄養士のてんぱぱぱです。

今回はクロムについてポイントをまとめていきたいと思います。

 

こちらの内容は、「日本人の食事摂取基準2020年版」「日本ニュートリション教会 サプリメントアドバイザー資料」等から要点をまとめています。

クロム(Cr)とは

クロムとは微量ミネラルのひとつで、原子番号24元素記号Crのクロム族元素です。

成人の生体内に約2~10mg 存在しています。

通常の食事から摂取されるクロムは3価クロムです。

働き

四つの3 価クロムイオンが結合しているオリゴペプチドであるクロモデュリンは、インスリンによって活性化されるインスリン受容体のチロシンキナーゼ活性を維持し、インスリン作用を増強します。

主な働き

  1. インスリン生成に関与
  2. 血糖の調整

こんな人におすすめ

(インスリン生成に関与)

・糖尿病の方

(サプリメントなどを使用する場合は、医師への確認を強く勧めます)

(クロムの欠乏予防)

・加工食品中心の食生活をしている人

消化、吸収、代謝

クロムの吸収率は、クロムの摂取形態など、様々な要因によって変動しますが、約1% と見積もられています。

クロムの主な排泄経路は尿であると考えられています。

必要量(日本人の食事摂取基準2020年版)

日本人の食事摂取基準2020年版では、クロムについて目安量(1~17歳は基準値なし)、耐容上限量(18歳以上)が設定されています。

耐容上限量は、2020年版から新たに追加されました。

  • 推定平均必要量:50%の人が必要量を満たす量
  • 推奨量:ほとんどの人(97~98%)が必要量を満たす量。推定平均必要量を用いて算出される。
  • 目安量:栄養状態を維持するのに十分な量。十分な科学的根拠がなく「推定平均必要量」が算定できない場合に算定する。
  • 耐容上限量:健康障害の危険がないとみなされる習慣的な摂取量の上限。
  • 目標量:生活習慣病の予防を目的に目標とすべき摂取量。

成人男性

(18歳以上)

  • 目安量:10μg/日
  • 耐容上限量:500μg/日

 

成人女性

(18歳以上)

  • 目安量:10μg/日
  • 耐容上限量:500μg/日

妊婦・授乳婦

  • 目安量:10μg/日

 

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クロムは、日本人の食事摂取基準2020から耐容上限量が新たに設定されました。

目安量・耐容上限量とともに男女同じ数値となっています。

 

欠乏症

クロムが欠乏するとインスリン作用が低下し、耐糖能低下が生じると考えられます。

しかし、実験動物に低クロム飼料を投与しても糖代謝異常は全く観察できません。

また、ヒトの糖代謝改善に必要なクロムの量は、食事からの摂取量を大きく上回っています。

これらのことから、クロムによる糖代謝の改善は薬理作用に過ぎず、クロムは必須の栄養素ではないという説も展開されています。

主な症状

  • (血糖値の上昇)
  • (糖尿病)

過剰症

クロム鉱山や工場での汚染などにより、人為的に産出された6 価クロムを過剰に摂取すると、腎臓、脾臓、肝臓、肺、骨に蓄積し毒性を発しますが、自然界にはほとんど存在しません。

通常の食品において過剰摂取が生じることは考えられませんが、サプリメントの不適切な使用が過剰摂取を招く可能性があります。

クロムの過剰摂取がインスリン感受性を低下させるとの研究結果から、今回の食事摂取基準2020年版の改定で耐容上限量が新たに設定されました。

主な症状

  1. インスリン感受性の低下
  2. (慢性間質性腎炎)
  3. (横紋筋融解)
  4. (肝障害)

生活習慣病との関連

糖尿病との関連

クロムのサプリメントと糖代謝の関連を検討した41 の疫学研究をもとにしたメタ・アナリシスでは、糖尿病患者へのクロムサプリメント投与は血糖値とヘモグロビンA1c 濃度の改善をもたらす場合が多いが、非糖尿病の人への投与は耐糖能低下がある場合を含めて、血糖値とヘモグロビンA1c 濃度に何ら影響を与えないとしています。

糖尿病患者に対して効果のあった投与量は、塩化クロムとピコリン酸クロムが200~1,000μg/日、クロム酵母が10~400μg/日です。

このメタ・アナリシス以後に公表されたクロムサプリメントと糖代謝の関連を調べた無作為化比較試験には、糖尿病患者に対するクロム(クロム酵母)の効果を否定する研究と肯定する研究が混在しています。

一方、耐糖能低下、空腹時血糖値の上昇、メタボリックシンドローム、さらに肥満でなく血糖値が正常な非糖尿病の対象者については、クロムの効果を否定しています。

てんぱぱぱ
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すでに糖尿病の方は、クロムを摂取することで糖代謝を改善させる可能性がありますが、それ以外の方が糖尿病の予防を目的にクロムを摂取する場合においては、否定的な報告が多いですね。

多く含む食品

精白されていない穀類、肉、魚、海藻などに含まれます。

主な食品

いわし、レバー、チーズ、ビール酵母、無精白穀類

まとめ

今回はクロムについてまとめました。

要点は次の通りです。

  1. 微量ミネラルのひとつで、原子番号24、元素記号Crのクロム族元素。
  2. 主な働きは、①インスリン生成に関与、②血糖の調整。
  3. 成人は男女共に目安量10μg/日、耐容上限量は500μg/日。
  4. 欠乏症には、血糖値の上昇が考えられるが、否定的な報告もあり。
  5. 過剰摂取は通常の食品において生じることは考えられない。また過剰症の症状についても十分な研究報告は出ていない。
  6. 精白されていない穀類、肉、魚、海藻などに含まれる。

 

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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

コメント

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