緊急事態宣言!新型コロナウイルスの病院での現況や対応を語る

病院栄養士の仕事

こんにちは。管理栄養士のてんぱぱぱです。

コロナウイルスが猛威を振るっている中、4月7日に緊急事態宣言が発令されました。

私の働いている病院でも、コロナウイルスの影響が様々な部分で出てきています。

今回は、私の病院での現況を報告したいと思います。

病院での影響

コロナウイルスの影響について、まず病院全体の状況について報告します。

私の病院のプロフィールはこんな感じです。

・入院・外来を行う中規模病院
・二次救急医療機関に指定されており救急車の受け入れをしている。
・感染症指定医療機関ではないので、コロナウイルス感染患者の受け入れは対応していない。

 

救急車受け入れ要請の増加

救急指定病院とは、救急患者の診療に協力できるという旨を都道府県に申し出た医療機関のうち、認定条件を満たし、かつ都道府県知事が認めた病院・診療所のことを指します。

症状と緊急性から3段階に分けて医療体制を整えています。この3段階というのが、一次救急、二次救急、三次救急にあたります。

 

一次救急(初期救急)

・入院の必要がなく帰宅可能な軽症患者に対して行う救急医療。

二次救急

・24時間体制で救急患者の受け入れができるようになっていて、「手術治療も含めた入院治療を提供できる設備が整っている」「救急患者のための専用病床が整備されている」などの条件を満たしている。

三次救急

・一次救急や二次救急では対応できない重症・重篤患者に対して行う医療。

当院は、二次救急医療機関ですので、救急車の受け入れ要請を受けていますが、最近はその要請件数がかなり増えてきています。

そしてその内容は、「発熱」を原因としたものが増えているというのが特徴です。

これは、コロナウイルスが猛威を振るっているご時世ですので、熱が出ると「コロナウイルスかも・・・」と不安になる方が非常に多いという事です。

私の病院は感染症指定医療機関ではありません。

もちろん熱がでていても、コロナウイルスに感染していない可能性の方が極めて高いのですが、そのような患者さんの受け入れ判断はなかなか難しいところがあるようです。

体調管理の徹底

院内感染を徹底して予防していくためには、医療従事者が感染しないこと、又万が一感染した場合には、少しでも早く気づき対応することが大切です。

当院ではコロナウイルスが爆発的に広がる前から、出勤時の体温測定体調確認を実施しています。

また出勤前に体調不良や発熱があった際には、出勤しないで所属長に報告・対応することを徹底しています。

じぶんとまわりの人たちを守るための最低限のルールだと思います。

医療スタッフの不安

医療スタッフは非常に不安を感じながら仕事をしています。

 

コロナウイルスは潜伏期間が1~14日と非常に長いのが特徴です。又無症状の病原体保持者もいます。

このような方からの感染については、「可能性は低いとみられているものの、新型コロナウイルスについては十分解明されていないので、一般的な感染対策を心がける。」というのが厚生労働省の説明です。

無症状病原体保持者からも感染する可能性が否定されていないという事は、外来で付き添いで来ている症状のない方や入院患者さんの面会者などから感染する可能性も考えなければならないという事です。

 

こういった状況を踏まえ、当院では現在面会禁止の対応をとっています。

入院患者さんは高齢な方・病気と闘っている最中の方が大部分であり、免疫力が低下しており感染しやすい状態といえます。

入院患者さんを心配する家族や友人の気持ちもわかりますが、面会者から入院患者さんや医療スタッフに感染が広がることを防止する為、仕方のない対応だと感じています。

患者さんや家族の不安

医療スタッフが不安に感じているのと同じように、患者さんも不安を感じながら病院で過ごしています。

医療スタッフは体調管理をかなり意識しており、体調不良がある際には業務を休むようにしています。

しかし、「体調は悪くないけどたまにちょっと咳が出るな。」といった判断に悩むケースもあります。

ちょっと喉がいがらっぽく患者さんの前で咳き込もうものなら、

咳してるのに病院で働いてていいの?コロナじゃないだろうな。

という疑念の視線を痛いほど感じます。

感染予防はもちろん患者さんに不安を与えない為にも、少しでも具合が悪いようなら仕事を休むべきなのでしょうが、緊急事態宣言もあり手薄な今の状況で、仕事を休むことに気兼ねしてしまうのも実際のところです。

でもやっぱりそのようなスタッフは仕事させるべきではないですね。

物資の不足

コロナウイルスの影響として、マスクの不足は連日テレビでも報道されていますが、病院ではマスク以外にも様々な物資の不足が生じています。

栄養科での物資不足については後程書きますが、感染対策を徹底しなければならないのに、感染対策に必要な物資からどんどん不足していく状況です。

マスクについては当院も厚生労働省からの支援がありましたが、それでもまだまだ足りていません。

少し購入も出来るようになってきたようですが、マスクの価格はもともと仕入れていた価格の10倍に跳ね上がってしまいました。

病棟ではマスク以外にも手指消毒用のアルコールやミルクポン(次亜塩素酸ナトリウム)、使い捨てのビニールエプロンや手袋などが不足しています。

医療従事者の不足

足りないのは物資だけではありません。

緊急事態宣言が出て、保育園などが休園になったことで出勤できなくなってしまった職員も出てきました。

スタッフも不足しているのです。

医療崩壊を未然に防ぐため、国も一生懸命取り組んでくれていますが、コロナウイルス感染患者さんの病床を確保するだけでなく、いかに医療従事者が仕事を継続できる体制をつくっていけるかが医療崩壊を防ぐカギになると私は考えています。

委員会や勉強会の延期

「3つの密」は院内でも簡単に生じてしまう環境です。

そこでそのような高リスクな状況をつくらない為に、勉強会や委員会なども延期や中止を余儀なくされています。

これは院内だけでなく、院外研修や打ち合わせなども同様です。

在宅勤務が推奨されている世の中ですから当然といえば当然ですが、やはり大きな影響といえるでしょう。

栄養科での影響

先に病院でのコロナウイルスの影響をお話ししましたが、次に栄養科ではどのような影響がでているのか書いていきます。

なかなか大変な状況です・・・

NST(栄養サポートチーム)回診の縮小や病棟ラウンドの中止

院内感染を起こさない為に、なるべく病棟にいかないという対応をとっています。

NST(栄養サポートチーム)では、毎週病棟回診を関係スタッフ全員で行った後カンファレンスを行う流れをとっていますが、回診は最小限に人数を削減して対応し、カンファレンス中心に行うようにしました。

また毎日行っている食事中の病棟訪問も現在は中止にしており、必要に応じて管理栄養士のみ病棟に伺うかたちをとっています。

嗜好調査も4月に予定していましたが延期としました。

患者さんの様子を実際に見なければ、適切な栄養管理・食事提供はできないので、それが出来ない現状は非常にむずかしく感じています。

物資の不足(栄養科)

栄養科でも欠品により様々な物資不足が生じています。

主だったものは次の通りです。

①マスク

マスクは、普段ですと衛生管理のためこまめに交換することを指導していますが、マスク不足のため1日1枚を原則としました。

この先さらにマスク不足が深刻になるようであれば、マスクを数日で1枚にすることなども検討が必要になるかもしれません。

院内でもマスク使用の必要性について優先順位をつけて対応していくことが考えられますので、感染患者さんとの接触リスクがない厨房内では、マスクを使用しないといった対応も出てくるのではないかと危惧しています。

 

②ビニール手袋

ビニール手袋は盛り付け・調理の際や下膳で残飯を処理する際、食事提供前の最終チェック時など様々な場面で使用しています。

しかし現在はビニール手袋が不足しているため、盛り付け時や調理時のみに限定して使用しています。

 

③手指用アルコール

手指用アルコールは、厨房内に数か所設置しており、業務の切り替え時など都度消毒をしていますが、現在は汚染区域と非汚染区域の切り替えの場所1か所のみで使用することを原則とし、その分手洗いの徹底で対応しています。

手洗いは1日に何十回もするので簡単に手荒れしてしまいます。

手が荒れてしまう事自体が衛生管理状望ましくない為、手荒れしないよう保湿クリームなどの使用も積極的に行ってもらっています。

 

④調理機器などに使用するアルコール(食品添加物対応のもの)

食品添加物対応のアルコールは、普段入れている商品が入らなくなってしまったため、別業者に代替え商品を注文して対応しています。

商品の種類や業者によっても納品の可否が分かれますので、情報を集めながら対応しています。

 

⑤次亜塩素酸ナトリウム

消毒や漂白などに使用する次亜塩素酸も普段使用しているものは欠品で入らなくなりました。普段はミルクポンという商品を使用しているのですが、現在は他商品で対応しています。

商品により次亜塩素酸ナトリウムの濃度が違う為、使用の際には希釈濃度など注意が必要です。

 

⑥食品に関しては微妙・・・

食品に関しては、いまのところ不足は生じていません。

しかし医薬品卸し業者等からは、「不足する可能性があります」との通達がありました。

不足するかもしれないからといって大量購入してしまえば、余らせてしまう可能性もありますし、なにより大量購入のような対応をたくさんの病院が行ってしまうと、マスクのように社会的な不足が食品でもおこってしまう可能性があります。

現在は、業者と連絡を密にとり、入りにくい状況が起こった際にはその情報を少しでもはやく入手し、対応できるよう準備しています。

コロナウイルス感染疑いの患者さんへの食事対応について

当院のコロナウイルス疑いの患者さんに対する食事の対応についてご紹介します。

まずコロナウイルス疑いの患者さんに対する対応の原則は、標準予防策の徹底となっており、食事もこれに準じて対応しています。

よって食事提供については他のトレーと区別する、紙食器に変えるなどの特別対応はせずに通常通りとしています。

もちろん手洗い+食器洗浄機での十分な洗浄と、食器消毒保管庫での高温消毒はしっかり実施しています。

食事の残食については、病棟で廃棄し栄養科にもどさない対応とするかどうかICTと検討しましたが、現時点では対応しないこととしています。

理由は2つ。

 

1つ目は食事を介して新型コロナウイルスに感染する可能性を示すエビデンスがないことです。

コロンビア大学メイルマン公衆衛生大学院、感染症・免疫学センターのウイルス学者、アンジェラ・L・ラスムセン(Angela L. Rasmussen)博士は、食事からの感染について次のように述べています。

「食事を介して新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染する可能性を示すエビデンスはない。可能性があるとしても、リスクは極めて低いだろう」と話す。さらに博士は、ヒトコロナウイルス(ヒトに対して病原性を示すコロナウイルスのグループ)で、食物を介して感染しうるものは聞いたことがないと述べる。

 

2つ目は、厚生労働省が提示している「ご家族に新型コロナウイルス感染が疑われる場合家庭内でご注意いただきたいこと~8つのポイント~」の中で「タオル、衣類、食器、箸・スプーンなどは、通常の洗濯や 洗浄でかまいません。」と記されていることです。

 

以上の理由から残食に関しても一般対応とすることとしました。

しかしコロナウイルス感染防止のために加えた業務もあります。

 

それは、食札の次亜塩素酸ナトリウムでの消毒です。

 

当院は普段から配膳車の取っ手などの次亜塩素酸ナトリウムによる消毒を実施しているのですが、食札も消毒箇所に加えました。

コロナウイルス対策として、手で触れる共有部分の消毒は感染予防のポイントといわれていますので、食札を介して感染が広がることを防ぐ為、実施することとしました。

消毒する食札は、コロナウイルス感染疑いの患者さんのものだけではなく、その患者さんが入院している病棟すべての食札を対象としています。

このような対応は、今後コロナウイルスの研究が進み対策に関する指針が変われば、それに合わせたものに切り替えていく必要があるため、新たな情報発信がないか日々確認するようにしています。

 

職員食の提供について

当院は患者食とあわせて職員食の提供も行っています。

職員は食堂で食事をしますが、この食堂での食事状況が3密に当てはまってしまいます。

そこで次の対応をとることで職員食の提供を継続することとしました。

 

①対面での食事にならないよう、椅子を撤去する

食堂の座席数は半分になってしまいますが、対面での食事を禁止する為椅子の撤去を行いました。

職員には各部署で一斉に食事に来ないようにする、又混みあう時間帯をさけてもらう事について協力をお願いしました。

 

②離れて座り、なるべくしゃべらない

食堂は自由席となりますので、仲のいいスタッフ同士が近くに座ってしゃべりながら食事をするのが自然だと思います。

しかしソーシャルディスタンスを守るため、なるべく人と距離をとって座ってもらう事とし、食事中のおしゃべりも控えてもらうようお願いしました。

 

③食事後に次亜塩素酸ナトリウムでのテーブルのふき取りを依頼する

食事が終わった際に、個々で自分が使用したテーブルを次亜塩素酸ナトリウムでふき取りしてもらう事をお願いしました。

次亜塩素酸ナトリウムは食堂専用に1個設置し、使用後のペーパーを捨てるごみ袋も臨時で設置するようにしました。

 

最後に

今回は、4月13日現在のコロナウイルスの影響をまとめてみました。

緊急事態宣言が発令され、たくさんの方が収束に向けて頑張っています。

医療従事者のように直接的に関わる方だけではなく、外出を控えている方など一人一人の行動が大切になってきます。

家にずーといるとストレスも溜まってきてしまいますので、上手な家でできるストレス発散方法を探してみましょう。

もしかしたら一生モノの趣味がみつかってしまうかもしれません。

 

みんなでコロナウイルス撲滅に向けて立ち向かっていきましょう。

 

 

 

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