食物繊維の健康への影響 食物繊維の効果とは

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てんぱぱぱ
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こんにちは。管理栄養士のてんぱぱぱです。

今回は食物繊維のシステマティック・レビュー、メタアナリシスについてご紹介いたします。

システマティック・レビュー:
文献をくまなく調査し、質の高い研究データを、データの偏りを限りなく除き、分析を行うこと

メタアナリシス:
複数の研究の結果を統合し、より高い見地から分析すること

 

体にいいイメージの食物繊維、一番イメージしやすいのは「便秘予防」でしょう。

私が栄養指導を行う際によく登場するタイミングは、糖尿病の食後過血糖抑制効果や、脂質異常症のコレステロール・中性脂肪の腸内での吸収抑制効果などです。

今回の研究をもとに食物繊維の力について、もう一度確認していきましょう。

 

こちらの内容は日本ニュートリション教会からの情報を元に作成しています。

はじめに

米国の臨床栄養学雑誌(AJCN)に食物繊維と疾患の関係に関するこれまでの知見を再評価した論文が掲載されました。

近年、食物繊維の働きの重要性が注目され、研究は多岐にわたっています。

心血管やがん、肥満、糖尿病、さまざまな疾病リスクとの関係が明らかになってきました。

日本の厚生労働省も、食事摂取基準2015のなかで、食物繊維の不足と疾患リスク、特に心筋梗塞は食物繊維不足が影響を及ぼすと言及しています。

生活習慣病の発症予防の観点から考えると、成人では食物繊維を一日20g以上摂取するのが理想とされています(下表)。

目標量:生活習慣病の予防のために現在の日本人が当面の目標とすべき摂取量。

 

ところが、平成27年国民栄養健康調査によると、実際の摂取量は、20歳以上で1日あたり平均15.0gしか摂取おらず、慢性的な不足が懸念されます。

本研究でも食物繊維と健康に関係性が確認できたと結論しています。

この論文を読んで、みなさんご自身も摂取目標量を確認し、食生活改善のきっかけにして下さい。

研究抄録

タイトル

食物繊維と健康影響:系統的レビューとメタアナリシスの統合研究

研究背景

先行研究によると、食物繊維を多く含む食事をとることは、さまざまな好ましい健康影響を与えることが示唆されている。

しかし、研究成果にはばらつきも多く、一定の知見の確立には至っていない。

我々の知る限り、これまで食物繊維摂取の結果について、そのばらつきを体系的に把握し、食物繊維摂取がもたらす影響に関する科学的根拠について、質的評価、量的評価、あるいは異なる健康や病状に対する影響を関する取り組みはなされてなかった。

目的

本研究は、食物繊維の摂取がどのような健康影響をもたらすか合理的は関係性を導き出すことを目的とする。

研究デザイン

本研究は、観察研究を再統合し解析したものを系統的にレビューした包括型の研究である。

評価項目の関連について、ランダムエフェクトモデルを要約し、95%信頼区間および95%予測間隔を推計した。

また、レビューにあたっては、研究間の異質性、および小規模な研究における科学的根拠や過剰な有意差バイアスの妥当性についても評価した。

我々は、これらの指標を用いて、論文が主張する科学的根拠の信頼性についても検討した。

研究結果

我々の文献検索では、1351論文の抄録を抽出した。

そのうち18報が研究に該当するメタアナリシスであった。

メタアナリシス18報には、前向き観察研究298報の引用があり、21の健康影響を含むものであった。

健康影響には、癌および前がん病変(n=12)、心血管疾患(n=3)、全死亡率および特定疾患死亡率(n=4)、2型糖尿病(n = 1)、およびクローン病(n = 4)であった。

21の健康影響のうち6つ(29%)は顕著に有意な結果を報告した(P <1×10(-6))。

これらには、心血管疾患および心血管疾患死亡率、冠動脈疾患、膵臓癌および胃癌が含まれた。

説得力のある証拠を示したのは21例中3例(14%)で、膵臓癌、心血管疾患死亡率、全死因死亡率であった。

心血管疾患および全死因死亡率が前向き研究に基づいていた。

他にも、心血管疾患および冠状動脈疾患に関する2つの結果では、前向き研究に基づき非常に示唆的なエビデンスが確認できた。

結論

本研究の結果は、食物繊維をより多く摂取することが、健康的な食生活として推奨されることを支持するものである。

キーワード

癌、心臓血管疾患、繊維、メタアナリシス、システムレビュー

感想

今回の研究を考える前に、研究内容とその信頼度について考えてみます。

研究には、色々な方法があり、その研究方法によって信頼度は異なります。

研究方法とその信頼度については下の図のようになっています。

これを見てわかるように、メタアナリシス、システマティック・レビューは、二次研究に分類される研究で、信頼度も非常に高い研究に位置づけられています。

先人達が行った研究から、より信頼性の高い結果を導き出す研究方法といえばわかりやすいでしょうか。

今回はそういった研究で、食物繊維の健康影響が確認されました。

てんぱぱぱ
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これはもう食物繊維とるしかないでしょう!

 

紹介されていた内容では、血管疾患について食物繊維を摂取することの有用性が証明されています。

又日本人の食事摂取基準では、食物繊維の摂取について生活習慣病との関連を次のようにまとめています。

1.食物繊維と発症予防との関係

食物繊維摂取量との関連が検討された生活習慣病は多岐に及ぶ。

心筋梗塞の発症並びに死亡、脳卒中の発症、循環器疾患の発症又は死亡、糖尿病の発症,乳がんや胃がんの発症との間に負の関連を認めたとする研究報告が数多く存在する。

なお、糖尿病の発症との関連を検討したメタ・アナリシスでは穀類由来の食物繊維摂取量とは有意な負の関連が観察されたが、果物由来の食物繊維も野菜由来の食物繊維もその摂取量とは関連が認められなかった。

これは、食物繊維が糖尿病の発症予防に有効か否かに摂取源を考慮する必要性を示唆している。

また、循環器疾患の強い危険因子である血圧並びに血清(または血漿)LDL コレステロール値との間でも負の関連が示唆されている。

さらに、肥満との関連を示した疫学研究も多数存在する。

一方、がん、特に大腸(結腸並びに直腸)がんとの関連についての研究結果は必ずしも一致していない。

食物繊維摂取量と大腸がんの発症の関連を単純に検討すると有意な負の関連が認められたが、葉酸・赤身肉・牛乳・アルコールの摂取量の影響を考慮すると、この関連は有意ではなくなったとする報告があり、結果が一致しない理由の一つであろうと考えられる。

このように、食物繊維摂取量と生活習慣病との関連を検討した疫学研究は数多く存在する。

しかしながら、それらの関連を量的に(量・反応関係を)示した研究はそれほど多くはない。 食物繊維摂取量が排便習慣(健康障害としては便秘症)に影響を与える可能性が示唆されてお
り、食物繊維摂取量と便秘症罹患率との関連を横断的に検討した疫学研究では、摂取量と便秘症の罹患率との間に負の関連を認めたとする報告がある。

その一方、我が国の研究では両者の間に関連を認めていない。

 

2.食物繊維と重症化予防との関係

介入研究では、食物繊維20 g/日で糞便重量が増加し、良好な排便が期待できるとした報告があ
る反面、糞便重量の増加は認められるが便秘が改善するとは結論づけられないとした報告もあ
る。

このように、通常の食品から摂取できる範囲における食物繊維摂取量が便秘症にどの程度の影響を与えているのか、また、どの程度の食物繊維摂取量が良好な排便習慣に寄与するかについては、いまだ十分に明らかではない。

 食物繊維摂取量を増加させた介入試験のメタ・アナリシスによると、血圧との間でも負の関連が示唆されている。

また同様に、血清(または血漿)LDL コレステロール値との間でもメタ・アナリシスによって負の関連が示唆されているが、この効果は水溶性食物繊維に限定されている。

一方、LDL コレステロール値低下作用は低グリセミック・インデックス食(低GI食)でも観察されており、グリセミック・インデックスが低い食事は総じて食物繊維、特に不溶性食物繊維が豊富であると考えられるため、高LDL コレステロール値を示す人に対して水溶性・不溶性を問わず、食物繊維を勧めるのは好ましいと考えられる。 食物繊維摂取量を増加させ、血糖値等の変化を観察した15 の介入試験をまとめたメタ・アナリシスは、平均18.3 g/日の増加で平均15.3 mg/dL の空腹時血糖の低下が観察されたと報告している。

日本人の食事摂取基準2015とは、「日本人の1日に必要なエネルギーや栄養素量を示した基準(2015年版)」です。

管理栄養士は、患者さんの栄養量を決定する際に、この日本人の食事摂取基準2015をもとに行うよう国から義務付けられています。

食物繊維について日本人の食事摂取基準2015では、「食物繊維の摂取不足が生活習慣病の発症に関連するという報告が多いことから、目標量を設定することが適当と判断した。」と基本的な考え方をまとめています。

 

今回のメタアナリシスの結果も踏まえ、食物繊維を積極的に摂取して、健康的な毎日を目指していきましょう。

 

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最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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