食物繊維とは 食事摂取基準2020対応かんたん要点まとめ

栄養基礎知識
てんぱぱぱ
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こんにちは。管理栄養士のてんぱぱぱです。

今回は食物繊維について、厚生労働省が作成している「日本人の食事摂取基準2020年版」と「e-ヘルスネット」の内容を中心に説明していきます。

「食物繊維の基本的な知識を知りたい方」や、「食事摂取基準2020を全部読むのは面倒だ」という方はこちらの記事を参考にしてみて下さい。

日本人の食事摂取基準」とは、健康増進法に基づき厚生労働大臣が定める、国民の健康の保持・増進を図る上で摂取することが望ましいエネルギー量と栄養素量の基準。 5年ごとに改定されており、2020年に最新版が出ています。

 

食物繊維とは

食物繊維とは、食べ物の中に含まれ、人の消化酵素で消化することのできない物質です。
整腸作用など身体の中で有用な働きをすることが注目され、第6の栄養素といわれることもあります。

水に溶けない不溶性食物繊維と水に溶ける水溶性食物繊維に大別できます。
それぞれの主な働きは次の通りです。

<水溶性食物繊維>

ペクチン・グルコマンナン・アルギン酸・アガロース・アガロペクチン・カラギーナン・ポリデキストロースなど

  • 粘着性により胃腸内をゆっくり移動するので、お腹がすきにくく、食べすぎを防ぎます。糖質の吸収をゆるやかにして、食後血糖値の急激な上昇を抑えます。
  • 胆汁酸やコレステロールを吸着し、体外に排泄します。
  • 大腸内で発酵・分解されると、ビフィズス菌などが増えて腸内環境がよくなり、整腸効果があります。

<不溶性食物繊維>

セルロース・ヘミセルロース・キチン・キトサンなど

  • 保水性が高く胃や腸で水分を吸収して大きくふくらみ、腸を刺激して蠕動(ぜんどう)運動を活発にし、便通を促進します。
  • よく噛んで食べるので、食べすぎを防ぎ、顎(あご)の発育を促すことで、歯並びをよくします。
  • 大腸内で発酵・分解されると、ビフィズス菌などが増えて腸内環境がよくなり、整腸効果があります。概して、水溶性食物繊維より発酵性は低い。

 

日本人は食物繊維が足りていない

あなたは食物繊維が足りていますか?

と質問されて自信をもって「大丈夫!」と答えられた人はあまり多くないと思います。

 

というのも、現在の日本人成人(18 歳以上)における食物繊維摂取量の平均値は13.7 g/日で、日本人の食事摂取基準2020で掲げられている摂取目標量である男性21g/日、女性18g/日を大きく下回っているのです。

 

ほとんどの人は食物繊維が不足しているのですね。

てんぱぱぱ
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目標量を満たす食物繊維を摂取できているのは、意識高い系の一握りの選ばれた人間だけという事です。

 

食物繊維ってどれくらいとればいいの?

日本人の食事摂取基準2020では、食物繊維は摂取が不足すると生活習慣病の発症に関連するという報告が多いことから、目標量が設定されています。

目標量:生活習慣病の予防を目的に目標とすべき摂取量

 

<食物繊維の食事摂取基準(g/日)>

性別男性女性
年齢等目標量目標量
0~5(月)
6~11(月)
1~2(歳)
3~5(歳)8以上8以上
6~7(歳)10以上10以上
8~9(歳)11以上11以上
10~11(歳)13以上13以上
12~14(歳)17以上17以上
15~17(歳)19以上18以上
18~29(歳)21以上18以上
30~49(歳)21以上18以上
50~64(歳)21以上18以上
65~74(歳)20以上17以上
75以上(歳)20以上17以上
妊婦18以上
授乳婦18以上

 

食物繊維の健康効果とは

ほとんどの人が不足しているといえる食物繊維ですが、日本人の食事摂取基準2020で目標量が設定されているほど重要な栄養素です。

てんぱぱぱ
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では「食物繊維がなぜ重要なのか」、「十分に摂取するとどのような健康効果が期待できるのか」等について説明していきましょう。

 

食物繊維というと、まずイメージするのは「便秘解消整腸作用」でしょう。

この働きも非常に重要なのですが、食物繊維にはまだまだたくさんの効果が期待されています。

では食物繊維の働きについて、日本人の食事摂取基準2020年版の内容をもとに説明していきましょう。

 

食物繊維摂取量は、数多くの生活習慣病の発症率又は死亡率との関連が検討されており、メタ・アナリシスによって数多くの疾患と有意な負の関連が報告されている稀な栄養素です。

メタアナリシス(meta-analysis)とは、複数の研究の結果を統合し、より高い見地から分析すること、またはそのための手法や統計解析のことである。メタ分析メタ解析とも言う。ランダム化比較試験(RCT)のメタアナリシスは、根拠に基づく医療 (EBM) において、最も質の高い根拠とされる。

ウィキペディアより引用

食物繊維の十分な摂取により期待できる効果の代表的なものとして、次のようなものが挙げられます。
  • 総死亡率の低下
  • 心筋梗塞の発症予防及び死亡率の低下
  • 脳卒中の発症予防
  • 循環器疾患の発症予防及び死亡率の低下
  • 2型糖尿病の発症予防
  • 乳がんの発症予防
  • 胃がんの発症予防
  • 大腸がんの発症予防

 

食物繊維の効果についての研究報告

食物繊維を摂取することによる健康効果は、さまざまな研究で報告されています。

  • 食物繊維をほとんど摂取しない場合に比べて、20 g/日程度摂取していた群では心筋梗塞の発症率が15% ほど低かった。
  • 食物繊維摂取量が多いほど、メタボリックシンドローム発症率や死亡率が低くなる。
  • 20 g/日以上摂取した場合に2型糖尿病の発症率の低下が観察されており、閾値としてこの値が存在する可能性を示唆している。
  • 食物繊維の摂取量は、血中総コレステロール及びLDL コレステロールと負の関連にある(水溶性食物繊維に限られる)。
  • 便秘症の罹患率、発症率及び排便頻度と食物繊維摂取量との間に負の関連を認めた。(その一方で、両者の間に関連を認めなかった研究も存在する)。

食物繊維と生活習慣病の重症化予防

食物繊維は数多くの生活習慣病の発症予防に関係する為、積極的な摂取がそれらの疾患の重症化予防においても重要だと考えられます。

例えば、食物繊維が各種疾患及びその生体指標に及ぼす効果を検証した介入試験をまとめたメタ・アナリシスでは、体重、血中総コレステロール、LDL コレステロール、トリグリセライド、収縮期血圧、空腹時血糖で有意な改善が認められています。

また、こうした結果は、糖尿病患者を対象としたHbA1c の改善を指標とした介入試験のメタ・アナリシスでも同様であったことから、こうした指標の改善が関連する各種生活習慣病の重症化予防においては、食物繊維の積極的摂取が推奨されます。

食物繊維が豊富な食品は、食後血糖値の上昇を示す指標であるグリセミック・インデックス(glycemic index:GI)が低い傾向にあります。

糖尿病患者に低GI 食による効果をHbA1c 及び空腹時血糖の変化を指標として検証した介入試験をまとめたメタ・アナリシスは、HbA1c 及び空腹時血糖の有意な改善を観察しています。

 

食物繊維を多く含む食品は?

食物繊維は大きな健康効果が期待できることがこれまでの内容でわかったと思います。

では食物繊維を摂取するためには、どんな食品の摂取を心掛ければいいのでしょう。

食物繊維を多く含む食品について水溶性食物繊維と不溶性食物繊維にわけて説明します。

水溶性食物繊維

ペクチン熟した果物、芋類、(キャベツ・大根などの)野菜類
アルギン酸こんぶやわかめなどの海藻類等
ガム質大豆や大麦・ライ麦等の麦類
グルコマンナンこんにゃく等(市販のこんにゃくは不溶性)

ネバネバ系とサラサラ系があります。

昆布、わかめ、こんにゃく、果物、里いも、大麦、オーツ麦などに含まれています。
こんにゃくの原料は水に溶けますが、食用のこんにゃくになると水に溶けません。

不溶性食物繊維

セルロース大豆、ごぼう、小麦ふすま、穀類、豆類など
ヘミセルロース小麦ふすま、大豆、穀類、ごぼうなど
リグニン小麦ふすま、穀類、完熟野菜類、豆類、ココアなど
キチン甲殻類の殻、きのこなど

成熟した野菜などに含まれ、糸状のもの、多孔質のものがあり、ボソボソ、ザラザラとした食感が特徴です。

穀類、野菜、豆類、キノコ類、果実、海藻、甲殻類(エビやカニ)の殻にも含まれています。

まとめ

今回は食物繊維についての基礎知識を説明していきました。

要点をまとめるとこんな感じです。

  1. 食物繊維とは、食べ物の中に含まれ、人の消化酵素で消化することのできない物質
  2. 不溶性食物繊維と水溶性食物繊維に大別され、それぞれ特徴的に働く
  3. 主な働きは排便コントロール・整腸作用だが、それ以外にも総死亡率の低下、心筋梗塞・脳卒中・循環器疾患・2型糖尿病・乳がん・胃がん・大腸がんの発症予防などの健康効果が期待されている。
  4. 摂取したい目標量は成人男性で21g/日、成人女性で18g/日である。
  5. 不溶性食物繊維と水溶性食物繊維などをバランスよく摂取するため、色々な食材から食物繊維を摂取することが大切。

 

てんぱぱぱ
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食物繊維を積極敵に摂取して、生活習慣病を予防しましょう。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

コメント

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