飲酒と認知症の関係とは

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てんぱぱぱ
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こんにちは。管理栄養士のてんぱぱぱです。

今回は飲酒と認知症の関係についての研究結果を報告します。

 

私も飲酒をするのですが、飲み方がアグレッシブなこともあり、医師から

医師
医師

毎日自分の脳みそを痛めつけているんだな。あ~ぁ・・・

とよくいわれています。

 

でもほんとうにお酒は認知症の原因になるのでしょうか?

 

お酒との上手な付き合い方を考える上でも、お酒が好きな方は是非読んでみて下さい。

それでは行ってみましょう!!

 

こちらの内容は、日本ニュートリション教会の情報を元に内容を作成しています。

はじめに

認知症は我が国の65歳以上の高齢者における有病率は8〜10%程度と推定されています。

「生後いったん正常に発達した種々の精神機能が慢性的に減退・消失することで、日常生活・社会生活を営めない状態」になる前の軽度認知障害(MCI:Mild Cognitive Impairment )が注目されています。

この段階での介入で認知症の進行予防できるといわれています。

MCIから認知症に進行する要因のひとつは、飲酒ともいわれていました。

米国の研究班は高齢者と健常高齢者の飲酒実態と認知症発症に関して、3000人以上の追跡データを解析し、1週間に14杯以上飲酒するMCIの高齢者は認知症へ進行するリスクが高いことを明らかにしました(米国医学雑誌JAMA掲載)。

いくつになってもお酒はほどほどがよさそうです。

研究報告

<テーマ>
健常および軽度認知機能障害の高齢者における、アルコールの摂取と認知症・認知機能の減退のリスクに関する研究

 

<研究の意義>

医師が高齢者の診療で、アルコール摂取量に関するアドバイスを行う際に、飲酒と認知症発症リスクに関して、課題を理解し適切な評価を行う必要があることが示された。

 

<抄録>

◎研究の重要性

アルコール摂取量と認知症の関連には、不均一性と不確実性が存在する。

客観的に飲酒量を計量し、認知症および軽度認知障害(MCI)の発症との関連性や飲酒によって影響を受けるアポリポタンパク質Eε4(APOE E4)遺伝子型の変異について評価することが重要である。

 

◎試験デザインおよび被験者

本研究で解析したコホートは、2000年から2008年に米国の地域在住の一般市民を対象としたものである。

イチョウ葉が記憶に与える影響を評価した研究に参加した72歳以上の3021人のデータを利用した。

データ分析は2017年から2018年まで実施された。

 

◎曝露因子

自己申告によるアルコール摂取量および飲酒頻度

 

◎研究方法

多変量比例ハザード回帰と線形混合モデルを使用して、軽度認知症検査におけるスコアを認知症リスクとして経時変化率を推定した。

 

◎結果

認知障害のない健常な高齢者2548人について、一週間に7-14杯のアルコールを摂取する人とほとんど飲まない人を比べると、認知症のハザードリスクは0.63(95%CI:0.38-1.06)であった。

一方、軽度認知症害を発症している473人については、0.93(95%CI:0.47-1.84)であった。

軽度認知障害を発症している被験者では、1週間に14杯以上の飲酒を行う高齢者は、ほとんど飲まない人に比べて、認知症を発症するハザード比が1.72(95%CI:0.87-3.40)であった。

飲酒と認知症の関連性は研究開始時の軽度認知障害の有無によって異なる傾向が示された。

軽度認知障害のない高齢者では、飲酒量が少ないことが認知症リスクの低さを関連しており、飲酒の多いひとに比べたハザード比は0.45(95%CI:0.23-0.89、p=0.02)であった。

こうした研究結果は性別や年齢、遺伝子タイプを考慮しても、その傾向に変わりなく観察された。

ミニメンタルステート検査(Mini-Mental State Examination: MMSE)のスコアで見ると、ほとんど飲酒をしない健常高齢者(1週間の飲酒量が1杯以下)では0.46ポイントの減退(95%CI:−0.87-−0.44)だったのに対し、一週間に14杯以上飲酒をする軽度認知障害の高齢者では3.51ポイントの減退(95%CI: −5.75-−1.27)であった。

 

◎結論と関連性

本研究では、72歳以上の非飲酒者および1週間あたり1杯未満の飲酒高齢者に比べ、1週間あたり14.0杯以上の飲酒者では、統計学的に有意に認知スコアが低下していることが確認された。

特に、飲酒習慣のある軽度認知障害の高齢者は、認知機能の低下について注意が必要であることが示唆された。

考察

今回の研究は、ハザード比を用いて飲酒習慣の有無と認知症の発症についての関係性をまとめています。

 

ハザード比とは次のように説明されます。

ハザード比とは統計学上の用語で、臨床試験などで使用する相対的な危険度を客観的に比較する方法です。英語でHezard Ratio、略してHRとも言います。

ある臨床試験で検討したい新薬Aと比較対象の薬剤Bとを比べたとき、ハザード比が1であれば2つの治療法に差はなく、ハザード比が1より小さい場合には治療Aの方が有効と判定され、その数値が小さいほど有効であるとされます。

 例えばA薬と対象のB薬を比較するというある臨床試験でハザード比が0.94という結果であれば、A薬はB薬よりリスクを6%減少させたという意味になります。

 

なお、『ハザード』とは以下のことを指します。

  • イベントの発生率:発症率、罹患率、死亡率など
  • 発生する速度(スピード)、強さの指標
  • 単位時間あたりのイベントの発生、単位は時間-1。割合 (%) とは異なる(割合は単位無し)。

「治療法A 10人を3年ずつ観察し2人亡くなった」は、「2人 / 30人年」となる。   「治療法B 6人を5年ずつ観察し1人亡くなった」は、「1人 / 30人年」となる。

 

  • 良いイベントは、ハザードが大きい方が好ましい。悪いイベントは、ハザードが小さい方が好ましい。たとえば、治療法の比較においては、死亡率が小さい方が好ましい。
  • ハザードが x 倍(ハザード比 x )になると 生存率は x 乗となる。
:ハザードが2倍→生存率は2乗 治療法AとBのハザード比が2 の時
Aの5年生存率80%→Bの5年生存率(0.8)2=64%

作成:株式会社インテリム×オンコロ

 

これを踏まえて研究結果を考えてみるとこんな感じです。

  • 非飲酒者および1週間あたり1杯未満の飲酒高齢者に比べ、1週間あたり14.0杯以上の飲酒者では、統計学的に有意に認知スコアが低下していることが確認された。
  • 軽度認知障害を発症している人では、1週間に14杯以上の飲酒を行う高齢者は、ほとんど飲まない人より、1.72倍認知症を発症する。
  • 軽度認知障害のない高齢者では、飲酒量が少ない人は、飲酒の多い人より認知症のリスクが0.45倍少ない

 

つまり飲酒は認知症の原因となりうるということです。

 

私は栄養指導の際、飲酒習慣のある方には適正量のお話しをします。

 

厚生労働省は、平成25年から開始された「健康日本21(第二次)」で、「生活習慣病のリスクを高める飲酒量」を、1日当たりの純アルコール摂取量が男性で40g以上、女性で20g以上と定義しています。

 

純アルコール20gに相当する酒量は次の通りです。
  • ビール:500ml
  • 日本酒:1合(180ml)
  • ウイスキー:ダブル1杯(60ml)
  • 焼酎(25度):ストレートでグラス1/2杯(100ml)
  • ワイン:グラス2杯弱(200ml)
  • チューハイ(7%):350ml

これを踏まえて今回の研究内容をみてみると、適正量といわれている飲酒量でも軽度認知症検査におけるスコアは低下するという事です。

恐ろしい・・・

 

やはり飲酒は適正量を守るのと同時に毎日飲まないという事がポイントになってきそうですね。

 

ちなみに「お酒を飲むと脳の細胞数が減少する」という話を聞いたことがある人も多いと思います。

・・・それ間違いです。

 

1993年の研究で、アルコール中毒者とそうでない人の脳のニューロン数を計測したところ、違いはないことが判明しました。アルコールで脳が破壊されるわけではないのです。

 

しかし連日の飲酒は脳を萎縮させるといわれています。特に大脳の前頭葉に多くみられます。

前頭葉というのは、物事の判断や意志決定をするなど最も高等な精神の中枢ですから、そこに脳萎縮がおきると正しい判断ができにくくなります。

 

結局、脳細胞数は変わらなくても脳に悪影響があるという点においては変わらないのです。

 

飲酒はストレス発散やコミュニケーションツールとなる等いい面ももちろんあります。

しかし、お酒の量や頻度にはやはり気を付けていくことが必要ですね。

てんぱぱぱ
てんぱぱぱ

私も気を付けないと・・・

言うのは簡単なんだけど、実行するのは大変ですよね。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

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コメント

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