日本で500万人以上が悩んでいる?不意に無意識に起こる便失禁

病院栄養士の仕事
てんぱぱぱ
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こんにちは。管理栄養士てんぱぱぱです。

 

今回は便失禁についてお話しします。

 

急な便意でトイレに間に合わなかった、知らないうちに便が漏れて下着が汚れていた・・・。

そんな症状があるとしたら、「便失禁」という病気かもしれません。

日本では500万人以上の人が便失禁で悩んでいるといわれ、高齢者ばかりでなく、出産を経験した40~50代の女性も少なくないようです。

なかなか相談しにくい病気ですが、きちんと治療すれば症状は改善します。

 

悩む前にこちらの記事をご覧ください!

便失禁の2つのタイプ

便失禁のタイプの1つは、便意を感じてトイレにいくものの、我慢しきれず便座に座る前に便が出てしまう「切迫性便失禁(せっぱくせいべんしっきん)」。

 

もう1つは、知らないうちに便が漏れていて、いつの間にか下着が汚れていたり、肛門付近に違和感を感じてトイレに行ってみたら、便が漏れていたというようなことが起こる「漏出性便失禁(ろうしゅつせいべんしっきん)」です。

 

便失禁の半数近くが漏出性便失禁といわれ、切迫性便失禁と漏出性便失禁の両方の症状がある「混合性便失禁」の人もいます。

 

<便失禁のつのタイプ>

切迫性便失禁便意を感じるが、短い時間でも排便を我慢できず、便を漏らしてしまう。肛門を締める肛門括約筋の筋力が低下して起こることが多い
漏出性便失禁知らないうちに便が漏れ、下着の汚れや肛門付近の違和感で便失禁に気づく

 

どのような便が漏れるかはいろいろです。

軟便や液状の便のこともあれば、固まった便のこともあります。便汁で下着が少し汚れる程度のことや、粘液のようなものが少量漏れる場合もあります。

 

便失禁の原因とは

便失禁の原因は、次のようなものが考えられています。

 

<便失禁の原因>

  1. 加齢などによる肛門括約筋の衰え
  2. 出産による肛門の損傷
  3. 痔や大腸がんなど肛門・直腸の病気
  4. 糖尿病や過敏性腸症候群など内科の病気

 

適切な治療を行うには、便失禁の原因と程度を正しく把握することが欠かせません。

そのために必要なのが、詳しい問診と、大腸や肛門の働きを調べる検査や肛門括約筋の状態を調べる検査です。

まず問診では、日ごろの排便状態(排便回数、便の性状など)、出産歴、消化器疾患の既往歴や手術歴、消化器疾患以外(婦人科疾患、神経疾患、内分泌疾患など)で現在治療中の病気、現在飲んでいる処方薬や市販薬、サプリメントなどを確認します。

便失禁の状態については、いつごろからどのような便失禁が始まったかなどを詳しく聞きます。

 

どんな検査を行うかは、症状の程度によって異なります。

症状が軽度なら、直腸診で肛門括約筋の状態などを確認します。

症状が重い場合や、便失禁の治療を行っても症状が改善しない場合は、より専門的な検査が必要になります。

 

専門的な検査には、肛門の締まり具合を測定する肛門内圧検査、直腸内に入れた風船を膨らませて、どれくらいで便意を感じるか、便意をどれくらい我慢できるかを調べる直腸感覚検査、肛門括約筋の損傷の有無を調べる肛門超音波検査などがあります。

 

便失禁の治療

まずは生活習慣の改善を

生活習慣の改善は、便失禁の治療の基本となります。

まずは、便意を感じたら我慢せずにトイレに行くことが大切です。

便意を我慢することが習慣化すると、便意を感じる神経が鈍くなり、便失禁につながります。

 

食事では、不溶性食物繊維の豊富な玄米、大麦、ゴボウや人参などの根菜類、小松菜などの葉物野菜、芋類、大豆製品などを積極的に摂取することが推奨されています。

これらには便を固形化する効果があるため、便が漏れにくくなるのです。

 

一方、避けたいのは便をやわらかくする作用のあるアルコール、コーヒーなどに含まれるカフェイン、香辛料、柑橘系の果物などです。

 

便がゆるく、それが便失禁の一因になっている場合は、下痢止め効果のある薬や便の硬さを調整する薬を使います。

また意外と多いのは、便秘改善のために飲んでいる緩下剤の影響で便がゆるくなってしまうケース。

その場合は、緩下剤の種類や量を調整します。

 

適度な運動をして体調を整えることも症状の改善に有効です。

運動は便通によい影響を与えます。

 

肛門括約筋の筋力アップには、骨盤低筋体操が効果的です。

尿道、肛門、膣をきゅっと締めたりゆるめたりする体操で、指導を受ければ自宅で簡単にできます。

 

それでも改善しない場合はより専門的な治療を

便失禁の専門治療を受けられるのは肛門外科などですが、最近は便失禁の専門外来を設置している病院もあります。

 

専門的な治療の代表的なものが、肛門にセンサーを挿入して、肛門括約筋の締まり具合を確認しながら肛門括約筋のトレーニングを行うバイオフィードバック療法、外出時など便が漏れては困る時に肛門に栓ををするアナルプラグ、低周波の弱い電流を流して神経を刺激する仙骨神経刺激法(SNM)などです。

 

SNMは、心臓ペースメーカーのような小型の装置をお尻の膨らみに植え込み、弱い電流で仙骨神経を継続的に刺激し、症状を改善する治療法です。

仙骨神経は、便意を感じたり便を我慢したりするときに働く神経です。

欧米では20年ほど前からSNMが行われ、効果を上げています。

 

便失禁の原因によっては、手術が必要なこともあります。

たとえば、肛門括約筋が切れてしまっている場合には、切れたところを縫い合わせる手術を行います。

 

便失禁は治る病気になり、2017年には診療ガイドラインも出来ました。

便のトラブルがあると、外出や人に会うのをためらいがちになりますが、治療をすることで活動的な生活を取り戻すことができるのです。

 

<便失禁の主な治療法>

排便・便意を我慢しない
・排便時いきみすぎないようにする。
(排便にかかわる神経に負担をかけない)
食事・不溶性食物繊維の豊富な食品(玄米、根菜類、芋類、大豆製品など)を積極的に食べる。
・アルコール、カフェイン、香辛料など便をやわらかくする食品を食べ過ぎない
運動・適度な運動を習慣にする
骨盤低筋体操・骨盤低筋を鍛え、肛門を締める力を高める
薬の内服・便の硬さを薬で調節する
・便秘薬の種類や量を調整して下痢を防ぐ
バイオフィードバック療法・肛門括約筋の締まり具合をセンサーで確認しながら、肛門括約筋のトレーニングを行う
アナルプラグ・肛門に専用の栓をして便の漏れを防ぐ
仙骨刺激神経療法(SNM)・小型の装置をお尻の膨らみに植え込み、便意を感じたり便を我慢する時に働く仙骨神経を弱い電流で刺激し、症状を改善する
手術・切れた肛門括約筋をつなぐ手術など

 

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便失禁は治療により改善することが期待できます。悩む前に受診してみましょう。

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