新年度開始!食事摂取基準2020への対応は大丈夫?

病院栄養士の仕事
てんぱぱぱ
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こんにちは。管理栄養士のてんぱぱぱです。

新年度スタートしましたね。

1年あっという間すぎてほんとにびっくりします。

 

2020年度は診療報酬改定に加え、食事摂取基準も2020年版に改定されました。

  • 診療報酬の改定ポイントはこちら
  • 食事摂取基準の栄養関連の改定ポイントはこちら

 

2020年4月から5年間はこの基準を基に食事の栄養量を考えていかなければならない訳です。

私もつい先日の栄養委員会で、食事摂取基準2020に合わせた院内約束食事箋の承認を得ました。

 

今回の食事摂取基準2020では、どのような変更があったのか皆さんは内容をおさえていますか?

私は年度末にバタバタしてしまいましたが、もし「まだこれからやるぞっ!」「やる気満々だぞ!」という方いましたら、こちらの内容を参考にしてみて下さい。

 

また「私はまだまだ動かない!」「動かざること山の如し!」という方。人生動かなければならない時もあります。こちらの内容を参考にしてみて下さい。

食事摂取基準2020の内容とは

それでは、食事摂取基準2020の主な改定のポイントをご説明していきます。

 

改定内容を確認するには、もうぶっちゃけこちらの厚生労働省ホームページから確認するのが一番早くて確実です。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/eiyou/syokuji_kijyun.html

 

読んだうえで「あんまりわからなかった・・・」とか「もっと掘り下げて勉強したい!」となったら本を買ってみるのもありだと思います。

お勧めはこちら

日本人の食事摂取基準〈2020年版〉


<本書の内容>
検討会により策定された報告書全文のほか、本書オリジナル資料として、
  1. 「日本人の栄養所要量、食事摂取基準の沿革」
  2. 「食事摂取基準を正しく活用するために」

が掲載されています。

 

今回の改定の主なポイントは、次のように紹介されています。

【主な改定のポイント】
○活力ある健康長寿社会の実現に向けて
・きめ細かな栄養施策を推進する観点から、50歳以上について、より細かな年齢区分による摂取基準を設定。
高齢者のフレイル予防の観点から、総エネルギー量に占めるべきたんぱく質由来エネルギー量の割合(%エネルギー)について、65歳以上の目標量の下限を13%エネルギーから15%エネルギーに引き上げ。
若いうちからの生活習慣病予防を推進するため、以下の対応を実施。
 - 飽和脂肪酸、カリウムについて、小児の目標量を新たに設定。
 - ナトリウム(食塩相当量)について、成人の目標量を0.5 g/日引き下げるとともに、高血圧及び慢性腎臓病(CKD)の重症化予防を目的とした量として、新たに6g/日未満と設定。
 - コレステロールについて、脂質異常症の重症化予防を目的とした量として、新たに200 mg/日未満に留めることが望ましいことを記載。

 

○EBPM(Evidence Based Policy Making:根拠に基づく政策立案)の更なる推進に向けて
・食事摂取基準を利用する専門職等の理解の一助となるよう、目標量のエビデンスレベルを対象栄養素ごとに新たに設定。

この内容を抑えていれば、だいたいOKだと思います。

今回の改定では、大きな目標の一つに「高齢者のフレイル予防」が加わりました。

これを達成するために数値目標として、必要エネルギー量やたんぱく質由来エネルギー量の割合が底上げされている訳です。

さらにもうひとつ大きな変化としては、食塩相当量の目標量が男女ともに0.5g/日引き下げられたことでしょう。

WHOは食塩相当量の目標量を5.0g/日と設定していますが、日本人の塩分摂取量はこれとはかけ離れて高い為、少しでも世界基準に近づけるようにというところと実現性があるところで今回の数値目標に決まりました。

 

食塩相当量の目標量は、

男:8.0g⇒7.5g/日
女:7.0g⇒6.5g/日
となりました。
 
一般食の塩分量を0.5g引き下げることによる予防医学的効果がどの程度あるのかは、疑問視してしまう部分もありますが、一般食の人が減塩食に移行する際のハードルを下げると考えるのであれば意義はあるのかもしれません。
 
あと地味に「コレステロールについて、脂質異常症の重症化予防を目的とした量として、新たに200 mg/日未満に留めることが望ましい」と数値目標を200mgで設定したのは厳しいなーと思いました。
 
一時期「コレステロールの摂取量は、血清コレステロール値と関係ない。」「摂取量より、体内での合成量の問題の方が大きいからいくらコレステロールをとっても大丈夫。」といわれている時期がありました。

これは2010年版の食事摂取基準で、コレステロールの目標量は、成人男性は1日750mg未満、成人女性は1日600mg未満となっていましたが、2015年版では、コレステロールの摂取基準(目標量)がなくなったことが要因として大きかったと思います。

「コレステロールは体内で合成できる脂質で、食事で摂取するコレステロールの影響は少ない。摂取目標量を決める科学的根拠が少ない。」

というのがその理由でした。

 

この時にも「脂質異常症の人はコレステロールの摂取は控えた方がいいよ。」となっていたのですが、あたかも「コレステロール全然関係ない!」みたいな風潮は栄養指導をすごくしやりにくくしました。

そんな中でも私は、コレステロールの制限を語り続けていた訳ですが、数値目標としては基本的には300mg/日で考えてきました。

 

しかし今回の数値目標は200mg/日です。

ちなみに卵1個で210mg程度のコレステロールが含まれています。

もう栄養指導で、「卵は1日1個までにしましょうね。」は使えないという事です。

 

厳しいな・・・

院内約束食事箋や給与栄養目標量の見直しをしよう

さて、食事摂取基準2020の内容を確認したら、次に行うのは自分の施設の院内約束食事箋や給与栄養目標量が新しい基準に合っているかの確認です。

上記では触れていませんが、ビタミンやミネラルも細かい設定が変わっていますので確認しておきましょう。

 

私の施設では、院内約束食事箋・給与栄養目標量と共に大きなズレはなかったのですが、一般食の塩分設定は8.0g/日としていました。

しかし今回の食事摂取基準2020の内容を受けて、男女の間をとって7.0g/日としました。

献立自体は月の平均塩分量が7.3g/日程度でしたので、若干の献立の見直しが必要そうですが、大きな修正にはならないでしょう。

脂質異常症食のコレステロールについてはどうしようか悩み中です。

まとめ

今回は、食事摂取基準2020についてほんとに簡単に紹介しました。

食事摂取基準2020の改定ポイントをしっかり押さえて、それ合わせた献立に切り替えていきましょう。

 

又栄養指導の際には、コレステロールのように伝え方のニュアンスを変えなければならないものもあります。

数値目標がすべてではないし、栄養指導に関して言えば数値より大切なポイントはたくさんあると思います。

数値目標を達成させるためのポイントを、数値を使わず、その人の生活や食事内容の改善により達成させられるのがいい栄養指導だと思いますので、その点は変わりないですね。

てんぱぱぱ
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皆さん食事摂取基準2020の内容を把握して、自分の健康もまわりの人の健康も高めていっちゃいましょう。

コメント

  1. […] 前回の記事「新年度開始!食事摂取基準2020への対応は大丈夫?」で食事摂取基準2020について簡単にふれましたが、今回は改定ポイントについてまとめます。 […]