ヨウ素(I)とは 初心者でもわかる簡単要点まとめ

栄養基礎知識
てんぱぱぱ
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こんにちは。管理栄養士のてんぱぱぱです。

今回はヨウ素についてポイントをまとめていきたいと思います。

 

こちらの内容は、「日本人の食事摂取基準2020年版」「日本ニュートリション教会 サプリメントアドバイザー資料」等から要点をまとめています。

ヨウ素(I)とは

ヨウ素とは微量ミネラルで、原子番号53、元素記号のハロゲン元素の一つです。

成人の生体内に約20~30 mg 存在し、その70~80%が甲状腺に存在し、甲状腺ホルモンを構成しています。

働き

ヨウ素は甲状腺ホルモンの合成になくてはならないミネラルです。

ヨウ素からつくられる甲状腺ホルモンのチロキシンは、たんぱく質の合成を促進し、さらに交感神経の感受性を高め、呼吸促進、代謝促進、心拍数を増加させるなど多彩な働きをしています。

甲状腺は副腎と共に代謝機能や体の調整にかかわり、エネルギー代謝に不可欠です。

また胎児期から幼児期では、ヨウ素がたんぱく質合成作用に関与して身体的、精神的発育を促します。

主な働き

  1. 甲状腺ホルモン(チロキシン)の構成成分
  2. 新陳代謝を促進する(たんぱく質・脂質・糖質の代謝に関与)→体温の調節
  3. 胎児、成長期の発育促進
  4. 肝臓でカロテンをビタミンAに変換するのを助ける。
  5. 脳を活性化し、精神活動を活発にする。

こんな人におすすめ

(新陳代謝の促進)

  • ダイエットをしたい人
  • 体温が低くて寒がりな人
  • 肌や髪の毛をきれいにしたい人

(脳の活性化)

  • 気持ちが落ち込んでいる人

(ヨウ素の欠乏予防)

  • 魚介類や海草を食べない人

消化、吸収、代謝

摂取されたヨウ素は、消化管でほぼ完全に吸収されます。

ヨウ素の多くは、血漿中でヨウ化物イオンとして存在し、甲状腺に取り込まれます。

甲状腺に取り込まれたヨウ化物イオンは、酸化、チログロブリンのチロシン残基への付加、プロテアーゼの作用による遊離、ペルオキシダーゼによる重合を経て甲状腺ホルモンとなります。

甲状腺ホルモンから遊離したヨウ素、及び血漿中ヨウ素は、最終的にその90% 以上が尿中に排泄されます。このため、尿中ヨウ素は直近のヨウ素摂取量のよい指標となります。

必要量(日本人の食事摂取基準2020年版)

日本人の食事摂取基準2020年版では、ヨウ素について推定平均必要量、推奨量(0才児には目安量)耐容上限量(18歳以上のみ)が設定されています。

  • 推定平均必要量:50%の人が必要量を満たす量
  • 推奨量:ほとんどの人(97~98%)が必要量を満たす量。推定平均必要量を用いて算出される。
  • 目安量:栄養状態を維持するのに十分な量。十分な科学的根拠がなく「推定平均必要量」が算定できない場合に算定する。
  • 耐容上限量:健康障害の危険がないとみなされる習慣的な摂取量の上限。
  • 目標量:生活習慣病の予防を目的に目標とすべき摂取量。

成人男性

(18歳以上)

  • 推定平均必要量:95μg/日
  • 推奨量:130μg/日
  • 耐容上限量:3000μg/日

成人女性

(18歳以上)

  • 推定平均必要量:95μg/日
  • 推奨量:130μg/日
  • 耐容上限量:3000μg/日

(妊婦)

  • 推定平均必要量:+75μg/日
  • 推奨量:+110μg/日
  • 耐容上限量:2000μg/日

(授乳婦)

  • 推定平均必要量:+100μg/日
  • 推奨量:+140μg/日

欠乏症

慢性的なヨウ素欠乏は、甲状腺刺激ホルモン(TSH)の分泌亢進、甲状腺の異常肥大、又は過形成(いわゆる甲状腺腫)を起こし、甲状腺機能を低下させます。

妊娠中のヨウ素欠乏は、死産、流産、胎児の先天異常及び胎児甲状腺機能低下(先天性甲状腺機能低下症)を招きます。

重度の先天性甲状腺機能低下症は全般的な精神遅滞、低身長、聾唖、痙直を起こします。

主な症状

・甲状腺機能低下症

・甲状腺腫

  1. 浮腫(むくみ)
  2. 皮膚がカサカサになる。
  3. 無気力、無感動
  4. 胃腸の働きが低下することによる食欲不振
  5. 筋力の低下、肩こり
  6. 月経過多
  7. 肥満
  8. 発育不全 

過剰症

ヨウ素は海藻類、特に昆布に高濃度で含まれるため、日本人は世界でもまれな高ヨウ素摂取の集団です。

日常的にヨウ素を過剰摂取すると、甲状腺でのヨウ素の有機化反応が阻害されますが、甲状腺へのヨウ素輸送が低下する“脱出(escape)”現象が起こり、甲状腺ホルモンの生成量は正常範囲に維持されます。

しかし脱出現象が成立していても、大量にヨウ素を摂取すれば、甲状腺ホルモン合成量は低下し、軽度の場合には甲状腺機能低下、重度の場合には甲状腺腫が発生します。 

主な症状

  • 甲状腺機能低下症
  • 甲状腺腫

生活習慣病との関連

日本人を対象にして海藻類摂取状況と甲状腺がん発症との関連を検討した報告では、閉経後の女性で、海藻類をほぼ毎日食べる集団は、週2 日以下しか食べない集団に比較して甲状腺がん、特に乳頭がん発症リスクが有意に上昇していたという報告があります。

多く含む食品

海藻や魚介類に多く含まれます。

主な食品

昆布、ワカメ、いわし、サバ、カツオ、ブリ、寒天

まとめ

今回はヨウ素についてまとめました。

要点は次の通りです。

  1. 微量ミネラルで、原子番号53、元素記号Iのハロゲン元素の一つ。
  2. 主な働きは、①甲状腺ホルモンの構成、②新陳代謝促進、③エネルギー産生、④胎児、成長期の発育促進、⑤脳の活性化 などがある。
  3. 成人男性・女性共に推奨量130μg/日、耐容上限量3000μg/日(妊婦は2000μg/日)。
  4. 欠乏でも過剰でも、甲状腺機能低下症・甲状腺腫になる。
  5. 海藻や魚介類に多く含まれる。

 

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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

コメント

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