鉄(Fe)とは 初心者でもわかる簡単要点まとめ

栄養基礎知識
てんぱぱぱ
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こんにちは。管理栄養士のてんぱぱぱです。

今回はについてポイントをまとめていきたいと思います。

 

こちらの内容は、「日本人の食事摂取基準2020「日本ニュートリション教会 サプリメントアドバイザー資料」等から要点をまとめています。

鉄(Fe)とは

鉄とは微量ミネラルのひとつで、原子番号26、元素記号Feの遷移金属元素です。

鉄は人体に約3~4g含めれていますが、その約60%は血液中の赤血球のヘモグロビンに、また約7%は筋肉細胞のミオグロビンに存在しています。

食品中の鉄の主な形態は、たんぱく質と結合したヘム鉄と無機鉄である非ヘム鉄に分けられます。

吸収率に違いがあり、ヘム鉄が30%、非ヘム鉄が5%前後といわれています。

働き

鉄はヘモグロビンや各酵素を構成し、その欠乏は貧血や運動機能、認知機能等の低下を招きます。

主な働き

  1. 酸素を細胞に運ぶ。
  2. 酸素を細胞に取り入れる。
  3. 成長促進や免疫に関与する。
  4. 細胞内でエネルギーを産生する。

こんな人におすすめ

  1. 貧血気味の人
  2. 出血を伴う身体状況の人(歯茎からの出血、痔など)
  3. 月経過多の女性
  4. 成長期の子供
  5. コーヒーやお茶をよく飲む人

消化、吸収、代謝

食品から吸収された鉄は十二指腸から空腸上部で吸収されます。

ヘム鉄はそのままの形で吸収されますが、非ヘム鉄は3価鉄の状態からアスコルビン酸(ビタミンC)などにより還元されて2価鉄となり吸収されます。

てんぱぱぱ
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鉄は同時に摂取する食物成分により、吸収率が大きく変わります。

吸収率促進
  • たんぱく質(アミノ酸)
  • ビタミンC
吸収阻害
  • フィチン酸(ライ麦、玄米など)
  • タンニン(コーヒー、緑茶、紅茶など)
  • シュウ酸(コーヒー、緑茶、紅茶、チョコレート、タケノコ、ほうれん草など)

鉄代謝には恒常性維持機構が強く働いていて、体内鉄が減少すると吸収率は高く、同時に排泄量は減少します。

多くの血清鉄は骨髄で赤芽球に取り込まれて赤血球の産生に利用されます。

120日の寿命を終えた赤血球はマクロファージに捕食されますが、その際に放出された鉄はマクロファージに留まり、再度ヘモグロビン合成に利用されます。

必要量(日本人の食事摂取基準2020年版)

日本人の食事摂取基準2020年版では、鉄について推定平均必要量、推奨量(0才児は目安量)、耐容上限量が設定されています。

  • 推定平均必要量:50%の人が必要量を満たす量
  • 推奨量:ほとんどの人(97~98%)が必要量を満たす量。推定平均必要量を用いて算出される。
  • 目安量:栄養状態を維持するのに十分な量。十分な科学的根拠がなく「推定平均必要量」が算定できない場合に算定する。
  • 耐容上限量:健康障害の危険がないとみなされる習慣的な摂取量の上限。
  • 目標量:生活習慣病の予防を目的に目標とすべき摂取量。

成人男性

(18~29歳)

  • 推定平均必要量:6.5mg/日
  • 推奨量:7.5mg/日
  • 耐容上限量:50mg/日

(30~49歳)

  • 推定平均必要量:6.5mg/日
  • 推奨量:7.5mg/日
  • 耐容上限量:50mg/日

(50~64歳)

  • 推定平均必要量:6.5mg/日
  • 推奨量:7.5mg/日
  • 耐容上限量:50mg/日

(65~74歳)

  • 推定平均必要量:6.0mg/日
  • 推奨量:7.5mg/日
  • 耐容上限量:50mg/日

(75歳以上)

  • 推定平均必要量:6.0mg/日
  • 推奨量:7.0mg/日
  • 耐容上限量:50mg/日

 

成人女性

女性の推定平均必要量と推奨量は、月経ありと月経なしで数値が違います。月経ありの方が必要量は多く設定されています。

耐容上限量は月経の有無による差はありません。

(18~29歳)

(月経なし)

  • 推定平均必要量:5.5mg/日
  • 推奨量:6.5mg/日

(月経あり)

  • 推定平均必要量:8.5mg/日
  • 推奨量:10.5mg/日

(月経なし・あり)

  • 耐容上限量:40mg/日

(30~49歳)

(月経なし)

  • 推定平均必要量:5.5mg/日
  • 推奨量:6.5mg/日

(月経あり)

  • 推定平均必要量:9.0mg/日
  • 推奨量:10.5mg/日

(月経なし・あり)

  • 耐容上限量:40mg/日

(50~64歳)

(月経なし)

  • 推定平均必要量:5.5mg/日
  • 推奨量:6.5mg/日

(月経あり)

  • 推定平均必要量:9.0mg/日
  • 推奨量:11.0mg/日

(月経なし・あり)

  • 耐容上限量:40mg/日

(65歳以上)

(月経なし)

  • 推定平均必要量:5.0mg/日
  • 推奨量:6.0mg/日
  • 耐容上限量:40mg/日

(妊婦 付加量)

(初期)

  • 推定平均必要量:+2.0mg/日
  • 推奨量:+2.5mg/日

(中期・後期)

  • 推定平均必要量:+8.0mg/日
  • 推奨量:+9.5mg/日

(授乳婦 付加量)

  • 推定平均必要量:+2.0mg/日
  • 推奨量:+2.5mg/日

欠乏症

鉄が欠乏すると、貧血だけではなく胃腸障害や神経過敏などの症状が起こります。

主な症状

  1. 鉄欠乏性貧血
  2. 無力感
  3. 立ちくらみ、めまい
  4. 食欲不振、胃腸障害
  5. 神経過敏
  6. あざができやすい、鼻血が出やすい

過剰症

鉄の場合、通常の食品において過剰摂取が生じる可能性はありません。

しかしサプリメント、鉄強化食品及び貧血治療用の鉄製剤の不適切な利用に伴って過剰摂取が生じる可能性があります。

各ステージの鉄過剰症としては次のような報告があります。

 

成人
  • 非ヘム鉄を60mg/日投与したところ、便秘や胃腸障害などの健康障害の有訴率が有意に高くなった。
  • 無機鉄剤は小用量(鉄として2mg/日ないし10mg/日)でも胃部不快感などの不定愁訴が認められたが、ヘム鉄においてはサプリメントで30mg/日でも胃部不快感などの健康障害はなく、血液生化学検査にも変化はなかった。
  • 鉄の長期過剰摂取による慢性的な鉄沈着症が問題となっている。(バンツー鉄沈着症
バンツー鉄沈着症・・・鉄の過剰摂取によって起こる鉄蓄積症。生体組織への鉄沈着が起こることで、肝細胞が障害されて肝硬変になったり、膵臓の繊維化によりインスリンが作れなくなって糖尿病になったり、心筋が障害されたりする。
小児
  • 12~18か月の小児に3mg/㎏体重の鉄4か月間、毎日投与した場合、体重増加量が有意に低下した。
乳児
  • 乳児では、鉄サプリメントを摂取した場合、身長や頭囲の成長が悪かった。
  • ヘモグロビン濃度が11g/dl以下の乳児に鉄材を投与すると下痢発生率のオッズ比が0.21に減少したが、11g/dl以上の乳児に投与したところ下痢発症のオッズ比は2.4に増加した。
  • 乳児に鉄を投与したところ健康障害が起こらなかったとの報告もあり、結果は一定ではない。
妊婦・授乳婦
  • 鉄の投与によって亜鉛の利用が低下するといった報告が多く出ている。

生活習慣病との関連

生活習慣病との関連として次のような報告がされています。

  • 鉄欠乏状態では、カルシウム摂取量が適正であっても骨吸収が高まり、骨の健康に負の影響を及ぼす。
 骨吸収・・・骨が壊されること
 骨形成・・・骨がつくられること
  • 鉄の過剰摂取は酸化促進剤として作用し、組織や器官に炎症をもたらし、肝臓がんや心臓血管系疾患、メタボリックシンドロームのリスクを高める。(特に赤身肉からのヘム鉄の過剰摂取)
  • 心臓血管患者において貧血は予後に負の影を響もたらす。

多く含む食品

吸収率のよいヘム鉄は、赤身の肉や魚、貝類に多く含まれます。

主な食品

レバー、鶏卵、鶏肉、カツオ、イワシ、煮干し、カキ、しじみ、あさり、大豆、切干大根、いんげん、ほうれん草

まとめ

今回は鉄についてまとめました。

要点は次の通りです。

  1. 微量ミネラルのひとつで、原子番号26、元素記号Feの遷移金属元素。
  2. 主な働きは、①酸素を細胞に運ぶ、②酸素を細胞に取り入れる、③成長促進や免疫に関与、④細胞内でエネルギーを産生する。
  3. 成人男性では推奨量7.0~7.5mg/日、耐容上限量50mg/日。成人女性では推奨量(月経あり)6.0~6.5mg/日、(月経なし)10.5~11.0mg/日、耐容上限量40mg。
  4. 欠乏すると、鉄欠乏性貧血・胃腸障害・神経過敏などの症状が起こる。
  5. 過剰症として、胃腸障害・成長障害・バンツー鉄沈着症などがある。
  6. 吸収率のよいヘム鉄は、赤身の肉や魚、貝類に多く含まれる。
てんぱぱぱ
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

コメント

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