モリブデン(Mo)とは 初心者でもわかる簡単要点まとめ

栄養基礎知識
てんぱぱぱ
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こんにちは。管理栄養士のてんぱぱぱです。

今回はモリブデンについてポイントをまとめていきたいと思います。

 

こちらの内容は、「日本人の食事摂取基準2020年版」「日本ニュートリション教会 サプリメントアドバイザー資料」等から要点をまとめています。

モリブデン(Mo)とは

モリブデンとは微量ミネラルのひとつで、原子番号42元素記号Moのクロム族元素です。

生体内に約9mgあり、肝臓腎臓に多く存在します。

働き

モリブデンは、キサンチンオキシダーゼ、アルデヒドオキシダーゼ、亜硫酸オキシダーゼの補酵
素(モリブデン補欠因子)として機能し、様々な代謝に関わっています。

又、鉄の代謝にも重要です。

血液を作るために必要な鉄が不足すると、肝臓に蓄えられている鉄の運搬を助けて、鉄の利用効率を上げ、造血を促す働きがあります。

さらにアフリカや中国など土壌や飲料水の中にモリブデンが少ない地域では食道がんの発生率が高いとの研究報告もあります。

 

●キサンチンオキシダーゼ
核酸の代謝経路で、ヒポキサンチンをキサンチンへ酸化し、さらに尿酸への酸化を触媒する酵素

●アルデヒドオキシダーゼ:
①バリン・ロイシン・イソロイシンの分解酵素
②チロシン・トリプトファン・ビタミンB6・ニコチン酸・ニコチン酸アミドの代謝酵素

●亜硫酸オキシダーゼ:
モリブデンとヘムを補酵素として利用する金属酵素。亜硫酸が硫酸に酸化されることによって発生した電子は電子伝達系へ移され、酸化的リン酸化によるATP合成に使われる。

 

モリブデンの主な働き

  1. 尿酸の代謝
  2. 造血作用(貧血の予防)
  3. 糖質や脂質の代謝を助ける
  4. 銅の排泄を増大する

こんな人におすすめ

<造血を促す>

・貧血の方

<モリブデンの欠乏予防>

・加工食品中心の食生活をしている人

消化、吸収、代謝

モリブデンは胃や小腸で吸収されます。

食事中のモリブデン吸収率は93% 程度と推定されています。

モリブデンの尿中排泄はモリブデン摂取量と強く相関しており、モリブデンの恒常性は吸収で
はなく尿中排泄によって維持されると考えられます。

必要量(日本人の食事摂取基準2020年版)

日本人の食事摂取基準2020年版では、モリブデンについて推定平均必要量、推奨量(0歳未満は目安量)、耐容上限量(18歳以上のみ)が設定されています。

  • 推定平均必要量:50%の人が必要量を満たす量
  • 推奨量:ほとんどの人(97~98%)が必要量を満たす量。推定平均必要量を用いて算出される。
  • 目安量:栄養状態を維持するのに十分な量。十分な科学的根拠がなく「推定平均必要量」が算定できない場合に算定する。
  • 耐容上限量:健康障害の危険がないとみなされる習慣的な摂取量の上限。
  • 目標量:生活習慣病の予防を目的に目標とすべき摂取量。

成人男性

(18歳~29歳)

  • 推定平均必要量:20μg/日
  • 推奨量:30μg/日
  • 耐容上限量:600μg/日

(30歳~64歳)

  • 推定平均必要量:25μg/日
  • 推奨量:30μg/日
  • 耐容上限量:600μg/日

(65歳~74歳)

  • 推定平均必要量:20μg/日
  • 推奨量:30μg/日
  • 耐容上限量:600μg/日

(75歳以上)

  • 推定平均必要量:20μg/日
  • 推奨量:25μg/日
  • 耐容上限量:600μg/日

 

成人女性

(18歳以上)

  • 推定平均必要量:20μg/日
  • 推奨量:25μg/日
  • 耐容上限量:500μg/日

授乳婦

  • 推推定平均必要量:+3μg/日
  • 推奨量:+3μg/日

欠乏症

通常の食事を摂取していれば欠乏することはほとんどありません。

しかし、モリブデンをほとんど含まない高カロリー輸液を完全静脈栄養により18 か月間投与された方に、血漿メチオニンと尿中チオ硫酸の増加、血漿尿酸、尿中尿酸及び尿中硫酸の減少、神経過敏、昏睡、頻脈、頻呼吸などの症状が発生しています。

これらの症状がモリブデン酸塩の投与で消失したことから、この症例はモリブデン欠乏だと考えられています。

モリブデン欠乏に関する報告はこの一例のみです。

主な症状

  1. 貧血
  2. 神経過敏
  3. 昏睡
  4. 頻脈
  5. 頻呼吸

過剰症

ヒトのモリブデン中毒に関する研究はあまりありません。

食事からのモリブデン摂取量が0.14~0.21 mg/kg体重/日のアルメニア人に、高尿酸血症と痛風様症状を観察したという報告がありますが、アメリカ学術会議(NRC)は、この報告の高尿酸血症と痛風様症状にモリブデンが関与していることは疑わしいと結論しています。

主な症状

  1. (高尿酸血症)
  2. (痛風様症状)

生活習慣病との関連

モリブデンが生活習慣病の発症予防及び重症化予防に関連するという報告は見当たりません。

多く含む食品

レバー、穀類、豆類、乳製品に含まれます。

主な食品

レバー、牛乳、チーズ、ヨーグルト、ひじき、納豆、大豆、玄米、グリンピース、ほうれん草、にんにく

まとめ

今回はモリブデンについてまとめました。

要点は次の通りです。

  1. 微量ミネラルのひとつで、原子番号42、元素記号Moのクロム族元素。
  2. 主な働きは、①尿酸の代謝、②造血作用、③糖質や脂質の代謝、④銅の排泄など
  3. 成人男性の推奨量25~30μg/日、耐容上限量600μg/日。成人女性の推奨量25μg/日、耐容上限量500μg/日。
  4. 欠乏症の報告はほとんどない。①貧血、②神経過敏、③昏睡、④頻脈、⑤頻呼吸など
  5. 過剰症については、①高尿酸血症、②痛風様症状という報告があるが明らかになっていない。
  6. レバー、穀類、豆類、乳製品に含まれる。

 

てんぱぱぱ
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

コメント

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