
こんにちは。管理栄養士のてんぱぱぱです。

血糖をよくするために、毎日もずく酢を夕食の時に食べてるんだ。

そーなんですね!もずく酢好きなんですか?

いやいや、好きなわけじゃないんだけど嫁さんも体のためって作ってくれるし・・・血糖のために頑張って食べてるんだよ。
好きじゃないのに頑張って食べている・・・
この努力が報われないようなことがあったら悲しすぎる・・・
私はそんなの認めない!
ということで、「もずく酢ってほんとに血糖コントロールに効果があるのか」考えてみました。
もずく酢とは

もずく酢とは、もずくという海藻を酢を中心とした調味料で和えた料理です。
これを紐解くには、もずくと酢について掘り下げて考えていく必要がありそうだ。
もずく
もずくは、ウィキペディアで次のように紹介されています。
長さは数十cmほどもあるが、幅は1-数mmほどしかなく、各所で枝分かれする。表面には多糖類が分泌されており、手で触れるとぬめりがある。
おもに熱帯から温帯の浅い海に分布する。日本沿岸では冬から春にかけて、光が届く潮下帯の岩礁に生えるが、夏には他の海藻類と同様に枯れてしまう。ホンダワラなど他の褐藻類に付着することから「藻付く」という名がついたといわれる。
海中に自生している時は褐色だが、他の褐藻類と同様熱湯に通すと緑色が出てくる。噛むとワカメのような歯ざわりがあるが、表面の多糖類のため、ぬるぬるとした食感が先に立つ。
ウィキペディアより引用こちら
このぬめりのもとである多糖類が非常に重要になってきます。

では、このぬめりのもとである多糖類とはどんな成分なのでしょうか?

そいつの正体はフコダインです。
フコダインとは「水溶性食物繊維の一つ」です。
食物繊維は大きく水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種に大別されます。
この食物繊維はそれぞれに違った特長を持っています。
水溶性食物繊維とは水に溶ける食物繊維です。
- 小腸での栄養素の吸収を抑えて遅らせる
- 有害物質を吸着して体外へ運び出す。
不溶性食物繊維とは、水に溶けない食物繊維です。
- 腸の蠕動運動を盛んにして消化管を通過する時間を短縮する。
- 消化管内で水分を抱え込んで、容積を増加させる。そのため便の量を増やし、排泄を促進させる。
水溶性食物繊維の一つであるフコダインは、
「小腸での栄養素の吸収を抑えて遅らせる」という働きにより、血糖値の吸収をゆっくりにしてくれるため、食後過血糖を抑制する効果が期待できる。
ということがいえます。
酢
では次に酢の効果について考えていきましょう。
お酢には、次のような効果が期待されています。
- 便秘改善(胃酸分泌促進、胃・腸の蠕動運動を活発にする、腸内の善玉菌を増やす)
- 疲労回復(クエン酸、アミノ酸が疲労回復を助けてくれる)
- 内臓脂肪を減らす(酢に含まれる酢酸が脂肪の蓄積を抑える、クエン酸・アミノ酸が脂肪を燃焼させる)
- 腸内環境改善(酢酸により、腸内の悪玉菌の増殖を抑える)
- 高血圧抑制効果(クエン酸が血小板が必要以上に集まるのを防ぐため、血液サラサラにつながる)
- 血中脂質低下(酢酸により、コレステロールの合成を抑制)
そして・・・
7.血糖値改善(酢酸による糖質吸収抑制)
酢の糖質吸収抑制効果により血糖改善効果が期待できるということがいえそうです。
もずく酢は血糖値改善に効果があるの?
ここまでで説明したように、もずく酢は「もずくと酢の糖質吸収抑制効果により血糖値改善に効果が期待できる」ということがわかりました。
しかし「もずく酢を食べているから大丈夫!」的な考えはよくないと私は考えます。
まずは、規則正しい食生活・食事量・糖質量・食べ方といった基本があり、その上で「もずく酢もやってみる。」という考え方が大切です。
では今回の患者さんの場合はどうだったでしょう?
今回の患者さんは、

食事の最初にとったり、小腹がすいたときに食べてるよ。
と言ってました。

これはすごくいいと思います。
食事の最初に食物繊維を摂ることで、食後の血糖値上昇がゆるやかになることがわかっています。
そして今まで間食としてカロリーの高いものを食べていた人が、健康的な間食に内容を変えたとなれば、いいことだらけだと思います。
いい結果がでるのを楽しみにします。

まとめ
今回はもずく酢について考えてきました。
もずくも酢も血糖改善に期待できそうということはわかりました。
しかし大事なのは基本です。
もずく酢の効果に頼りすぎずに、食事全体の内容・間食・規則正しい食事など基本を大切にしていきましょう。
しかし「基本を大切に」といっても理想通りにうまくいく人なんてなかなかいません。
私は栄養指導の際には、「その人にとって簡単でストレスなく実行できて、最も効果的なこと」を見つけることに力を注いでいます。

実行可能なことのハードルは人それぞれ違います。
マニュアル的な指導ではなく、その人の考え方や生活、金銭状況、ひいては歩んできた人生を尊重した栄養指導が出来るといいですね。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
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