
こんにちは。管理栄養士のてんぱぱぱです。
突然ですが・・・
皆さんは理想の筋肉を手に入れたいとは思いませんか?
筋肉を増強させるためには、筋肉トレーニングとたんぱく質の摂取がポイントという事は皆さん知っていると思いますが、このたんぱく質の摂り方・・・とても奥が深いんです。
正しい栄養摂取をしなければ効率的に筋肉をつけることはできません。
逆にいえば栄養を正しく摂取することで、その筋トレの効果を最大限に引き出すことができるのです。
正しい栄養摂取は、理想の自分を実現させるための近道といえるわけです。
今回は、科学的根拠に基づく正しい栄養摂取について13箇条のポイントにまとめて紹介していきます。
あなたが理想のボディーを手に入れる為の手助けとなること間違いなしです。
それではいきましょう。
筋肉増強のためのエビデンスに基づく栄養知識13箇条
筋トレ後24時間は積極的にたんぱく質を摂取する
●シュリナーズ病院、ティプトンらの研究より
・筋トレ後に必須アミノ酸15gを摂取したところ、筋タンパク質の合成感度は24時間後まで高い状態が続いた。
●マクマスター大学、バードら、フィリップスらの研究より
・トレーニング後1~3時間ほど(ゴールデンタイム)で筋タンパク質の合成感度は最も高まり、以後は増大率は減少するものの、少なくとも24時間後まで継続する。
・トレーニング強度に関係なく疲労困憊になるまでトレーニングを行えば、合成感度の上昇は24時間後まで継続する。
・合成感度の上昇が24時間継続することは、トレーニング経験の有無に関係しない。

疲労困憊までトレーニングを行えば負荷の強いトレーニングは必要ないということです。
でも疲労困憊になるまでトレーニングするのはどちらにしろ根性がいりますね。
「きつくて短い」か「かるくて長い」か自分に合うトレーニングを選びましょう。

筋トレ後はBCAAだけでなく9つすべての必須アミノ酸をとる
●エクセター大学、ジャックマンらの研究より
・筋トレ後にBCAAを摂取したグループは、プラセボグループに比べて筋タンパク質の合成率が22%増加した。
・筋トレ後に必須アミノ酸をすべて含むホエイプロテインを摂取したグループは、プラセボグループに比べて筋タンパク質の合成率が50%増加した。
→筋タンパク質の合成率の増加:BCAA22%<すべての必須アミノ酸50%であった。

9つの必須アミノ酸全てが基準値を満たしているアミノ酸スコア100の良質なたんぱく質を摂りましょう。
肉、卵、牛乳、大豆、プロテインなどはアミノ酸スコア100の良質なたんぱく質です。
●マクスター大学、チャーチワードらの研究より
・筋トレ後にホエイプロテイン25gを摂取したグループと少量のホエイ6.25gと多量のロイシン5g(計11.25g)を摂取したグループは同等の筋タンパク質の合成率を得た。

必須アミノ酸の中でもロイシンは重要です。
ロイシンは筋タンパク質合成のスイッチを入れるmTORを活性化させるカギになるのではないかと指摘されています。
現在は2g以上のロイシンを含む食品やプロテイン摂取が推奨されています。
必須アミノ酸全体をバランスよく摂取しながらロイシンの推奨量を満たすことを心がけましょう。

筋トレ後に摂取すべきたんぱく質量は年齢と体重によって異なる
単関節トレーニング
●トロント大学(カナダ)、ムーアらの研究より
・トレーニング後の筋タンパク質の合成率が最も高まる摂取量は「年齢」と「体重」によって異なる。
・若年者の単関節トレーニング後の最適たんぱく質摂取量は、体重kg×0.24gであった。
・高齢者が筋トレの効果を最大化するためには、若年者よりも多いタンパク質量(体重kg×0.4g)を摂取する必要がある。
体重(kg) | トレーニング後の最適なたんぱく質摂取量g ( )は最大値 | |
若年者 | 高齢者 | |
50 | 12.0(15) | 20.0(29.5) |
55 | 13.2(16.5) | 22.0(32.5) |
60 | 14.4(18.0) | 24.0(35.4) |
65 | 15.6(19.5) | 26.0(38.4) |
70 | 16.8(21.0) | 28.0(41.3) |
75 | 18.0(22.5) | 30.0(44.3) |
80 | 19.2(24.0) | 32.0(47.2) |
85 | 20.4(25.5) | |
90 | 21.6(27.0) |
多関節トレーニング
●スターリング大学、マコトンらの研究より
・平均体重70kgの20代の人に、多関節トレーニング後にプロテインを摂取させた時、ホエイプロテイン20g摂取グループより40g摂取グループの方が筋タンパク合成率が増加した。
(単関節トレーニングの係数体重kg×0.24gで計算すると最適タンパク質量は16.8g)

トレーニングの内容によってタンパク質の摂取量を変えることが大切です。
多関節トレーニング時は、単関節トレーニング時より摂取たんぱく質量を増やしましょう!
単関節トレーニング時は、
「体重kg×0.24g(高齢者は体重kg×0.4g)」
で摂取量を割り出し、多関節トレーニングを行った時には5~10g程度上乗せさせるとよいでしょう。

筋トレ後24時間の最適なタンパク質摂取量は「体重kg×1.62g」
●マクマスター大学のモートンらの研究より(49の研究報告をもとにした最大規模のメタアナリシス)
・筋トレの効果を高める24時間の最適なタンパク質摂取量は、体重1kgあたり最小値1.03g~最大値2.20gで平均値1.62gであった。
プロテインは筋トレ後の筋タンパク合成の効果を高める
●マクマスター大学、タンらの研究より
・筋トレ後、ホエイ・カゼイン・ソイ3種のプロテイン摂取をさせ、筋トレ3時間後のタンパク質合成率を調べたところ、すべてのグループで合成率が増加し、ホエイが最も効果的であった。
●コペンハーゲン大学のレイテルセダーらの研究より
・筋トレ後ホエイ、カゼインプロテインを摂取させたところ、3時間ではホエイが最も筋タンパク質の合成率を高めたものの、6時間になるとホエイとカゼインの筋タンパク質合成効果は同等となる。
●テキサス大学医学部のライディらの研究(一連の研究方向を解析したレビュー)
・ホエイ、カゼイン、ソイなどのプロテインは、その種類にかかわらず短期的には筋タンパク質の合成を高める効果がある。

筋トレ直後のプロテイン摂取はホエイ、就寝前など数時間かけて緩やかに筋タンパク質合成を高めたい時はカゼインがいいといえます。

●マクマスター大学、モートンらの研究より(49の研究報告をもとに行った最大規模のメタアナリシス)
・プロテインは、筋トレによる筋肥大、筋力増強の効果を長期的に高める。
<筋力増強について>
・プロテインの補充によって1RM(最大拳上重量)は増加するが、その効果量はトレーニング経験の有無によって異なる。
・トレーニング経験者はプロテイン補充によって筋力増強効果が高まったが、未経験者では有意な効果は認めなかった。
・年齢はプロテインによる筋力増強の効果に影響を与えない。
<筋肥大について>
・筋肥大効果は若年者に比べ高齢者で低くなる。
・トレーニング経験者はプロテイン補充によって筋肥大効果が高まったが、未経験者では有意な効果は認めなかった。

就寝前にプロテインをとる
●マーストリヒト大学、ビーレンらの研究より
・就寝前に20~25gのプロテイン摂取をしても筋タンパク質の合成作用は変わらなかった。
●マーストリヒト大学、グルーンらの研究より
・就寝中に経管栄養により段階的にタンパク質の摂取量を増やしたところ、40gまで増やしたところでタンパク質合成作用が促進された。
●マーストリヒト大学、レスらの研究より
・夕方に筋トレを行った後、就寝前に40gのカゼインを摂取させたところ、摂取してないグループと比べ約22%も多い筋タンパク質合成作用を認めた。
●マーストリヒト大学、カッターらの研究より
・就寝前にカゼイン30gを12週間継続して摂取させたグループは未摂取グループよりも筋肥大、筋力増強が認められた。

夜はサーカディアンリズム(概日リズム)の影響により、腸内のタンパク質吸収機能が低下します。
筋トレ後24時間で1日3回の食事とプロテインにより最適なタンパク質摂取量が摂れていない場合は、就寝前にもプロテインを積極的に摂取しましょう。

たんぱく質はまとめて摂らない
●オーストラリア・RMIT大学、アレタらの研究より
・3時間おきがタンパク質摂取の最適なタイミングである。
●テキサス大学医学部、マメロウらの研究より
・3食同量のタンパク質摂取をさせる「バランス食グループ」と朝昼が少なく夕食で多くタンパク質を摂取させる「偏食グループ」では、バランス食グループの方が筋タンパク質合成率が優位に高かった。

3時間おきのタンパク質摂取は仕事などで難しい方も多いと思いますので、3食バランスよくタンパク質を摂取することを心がけましょう。

筋トレは夕方に行う
●マーストリヒ大学、トロンメレンらの研究より
・それぞれ違う時間帯にトレーニングを行い、就寝前に同量のタンパク質を摂取させたところ、夕方にトレーニングを行ったグループは、他の時間帯に行ったグループよりも30%以上筋タンパク質の合成率が増加した。

赤身肉は食べすぎない

健康な人でもタンパク質の過剰摂取は腎臓にダメージを与えるのか?
この問題を解決すべく研究報告が集まってきています。
●ブリガム・アンド・ウィメンズ病院、リンらの研究(3000人を超える女性を対象とした観察研究)
・高タンパク質の食事を定期的に続けていると、腎機能が低下する可能性がある。
・西洋食、健康食、高血圧食の中で、腎臓病のリスクに最も関連しているのは、「西洋食」であった。
●(シンガポールの医療機関)シンヘルス、ルーらの研究より
・赤身肉を摂取すればするほど、腎機能の発症、末期腎臓病への悪化のリスクが高まる
・1日1食分の赤身肉の摂取を白身魚や魚などに代替したところ、腎臓病の増悪リスクが最大62.4%減少した。
●ドイツ・ヴュルツブルク大学、へリングらの研究より
・腎臓病の発症リスクは、赤身肉の摂取量に関連して増加する。
・白身魚やナッツ、乳製品の摂取量の増加腎臓病の発症リスクを軽減させる。
●コペンハーゲン大学のケンパーらの研究より(レビュー)
・赤身肉の過剰摂取は腎臓にダメージを与える影響がある。
・白身肉や乳製品のタンパク質は腎臓にダメージを与えない。

健康な人でもタンパク質の過剰摂取は腎臓にダメージを与えるのか?の問いに対する現時点での回答は次の通りです。
- 赤身肉(牛肉、豚肉、羊肉など)は腎臓にダメージを与える傾向がある。
- 乳タンパク質、鶏肉などの白身肉、魚などの摂取は腎臓へのダメージはほとんどない。
- 過剰な赤身肉の摂取を控えれば、1日当たり体重kg×1.62g程度のタンパク質の摂取量では腎臓にダメージを与える可能性は低い。

赤身肉は消化の過程で酸を生成し、この酸が腎臓に対して毒性を引き起こすと考えられています。
また、こちらで紹介しているのは健康な方を対象とした研究報告です。
元々腎臓の機能が落ちている方は医師の指示通りの食事療法を行いましょう。

筋トレ後に糖質をとっても筋肉合成は変わらない

しかし、最近ではこの説に異を唱える研究報告が多く挙がっています。
・十分なタンパク質を摂取すれば、インスリンによる筋タンパク質への効果は代替可能である。筋トレ後のタンパク質摂取にタンパク質を合わせる必要性はないだろう。

一連の報告は、タンパク質を十分に摂取すればインスリンの効果を代替できることを示唆しています。
しかし、糖質の摂取は筋グリコーゲンの回復や筋損傷の回復効果も示されていますので、糖質の総合的な利点を考慮して摂取を考えましょう。

牛乳は無脂肪乳より全乳を選ぶ


全乳には、飽和脂肪酸パルミテートが含まれており、これが筋タンパクの合成促進スイッチとされるmTORを活性化させるともいわれています。

卵は黄身まで丸ごと食べる


卵黄に含まれる次の栄養素が筋タンパク質の合成を引き上げたと考えられています。
- レチノイン酸:筋細胞の分化を促進
- ホスファチジン酸:筋タンパク質の合成を促進させるmTORの活性化
- オメガ3脂肪酸:筋タンパク質合成の促進

サプリメントはエビデンスレベルで選ぶ
●国際スポーツ栄養学会(ISSA)のレビューより
「筋肥大」「トレーニングパフォーマンス」の2つの視点から様々な研究報告を分析し、サプリメントの効果を示すエビデンスレベルを3つに分類した。
筋肥大の効果を高めるエビデンスレベルAのサプリメント |
HMB(トレーニング初心者) クレアチン 必須アミノ酸(EAA) プロテイン |
パフォーマンスを高めるエビデンスレベルAのサプリメント |
ベータアラニン カフェイン 炭水化物 クレアチン 重炭酸ナトリウム リン酸ナトリウム 水とスポーツドリンク |

今回はエビデンスレベルAのサプリメントから注目の4つを紹介します

クリアチン
●フランスのクレルモリン・フェラン大学のランチャーらの研究より(メタアナリシス)
・クレアチンはトレーニング効果、パフォーマンスを向上させる。
●アメリカ・テキサスA&M大学、クライダーらの研究より(レビュー)
・クレアチン摂取に関する1000もの研究結果を分析した結果、副作用に関する報告はなく、「安全性に全く問題ない」と結論づけた。
カフェイン
- 脳にある痛みや疲労などの信号を受け取るアデノシン受容体に作用し、その感受性を低下させることにより、疲労を感じるまでの時間が遅くなり、パフォーマンスを維持・向上させる。
- 脳の神経活動を高めるドーパミンなどの神経伝達物質の放出を促進させることで、筋力増強を促す可能性が示唆されている。
●ヴィクトリア大学、Grgicらの研究より(メタアナリシス)
・カフェインは最大筋力を増強させる。
・脚、腕ともに効果的だが、腕への効果が高い。
・男女ともに効果的だが、男性の方が効果が高い。
・トレーニング経験にかかわらず効果的だが、未経験者のほうが効果は高い。

カフェインの効果的な摂取は、1日で「体重1kgあたり3mg以上」が推奨されています。
注意点としては、「血圧の上昇」と「不眠」があります。
不眠ついては、「1日9mg以上の摂取」で顕著になるとの報告がありますので気を付けましょう。
HMB
- 筋タンパク質の合成を促すmTORを活性化し、同時に筋タンパク質の合成を抑制する。
- トレーニング未経験者や初心者のトレーニング効果を高める一方、トレーニング経験者やスポーツ摂取への効果は期待できない。

運動に慣れていない人におすすめのサプリメントですね。
効果的な摂取については、1日に体重1kgあたり38mgとされており、一般的には1回3gを目安に、数回に分けて摂取することが推奨されています。
また効果を最大化するには2週間以上の継続摂取が推奨されています。

ベータアラニン

ベータアラニンの効果的な摂取量は、1日あたり4~6gとされており、1回あたり2g以下を目安に2~3回に分けて摂取することが推奨されています。
また効果を最大化するには2週間以上の継続摂取が推奨されています。
まとめ
- 筋トレ後24時間は積極的にたんぱく質を摂取する
- 筋トレ後はBCAAだけでなく9つすべての必須アミノ酸をとる
- 筋トレ後に摂取すべきたんぱく質量は年齢と体重によって異なる
- 筋トレ後24時間の最適なタンパク質摂取量は体重kg×1.62g
- プロテインは筋トレ後の筋タンパク合成の効果を高める
- 就寝前にプロテインをとる
- たんぱく質はまとめて摂らない
- 筋トレは夕方に行う
- 赤身肉は食べすぎない
- 筋トレ後に糖質をとっても筋肉合成は変わらない
- 牛乳は無脂肪乳より全乳を選ぶ
- 卵は黄身まで丸ごと食べる
- サプリメントはエビデンスレベルで選ぶ

理由は単純。
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皆さんの努力が最大限の結果(筋肉)になるよう正しい栄養摂取を心がけましょう。

コメント
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