
こんにちは。管理栄養士のてんぱぱぱです。
今回のテーマは玉ねぎの皮です。
糖尿病外来で栄養指導をしていると、よく患者さんからこんな話を聞きます。

玉ねぎの皮って血糖値にいいんでしょ?
テレビでやってたから玉ねぎの皮茶を始めたんだ!
このように玉ねぎの皮を食事療法に取り入れている人ってけっこういるんです。
私の中では血糖改善というのが玉ねぎの皮の一番馴染みがある効果ではあるのですが、玉ねぎの皮にはまだまだたくさんの健康効果が期待されています。
今回はそんな玉ねぎの皮の栄養についてまとめていきます。
普段捨ててしまう玉ねぎの皮を有効に活用して、健康を手に入れちゃいましょう!
玉ねぎの皮に期待される効果・効能とは

それでは、玉ねぎの皮に期待される効果・効能ついて説明していきます。
まずは、玉ねぎの皮の効果・効能について語る上で重要な成分について確認していきましょう。
重要なのは3つ、ケルセチン・硫化アリル(アリシン)・グルタチオンです。
玉ねぎの皮には、この3つの成分が多く含まれている為、健康効果が高いのです。
それでは、1つずつ確認していきます。
苦味の素「ケルセチン」
ケルセチンは、ポリフェノールの一種であり、主に野菜などに多く含まれている苦味成分です。
タマネギの皮には多くのケルセチンが含まれています。
実は、玉ねぎの実の部分より皮の方が約30倍も含有量が多く含まれているのです。
玉ねぎの皮は栄養価が高いといわれる所以です。
わが国におけるケルセチンの主要な供給源は玉ねぎ(特に外皮に多い)ですが、そのほか、リンゴ、サニーレタス、ブロッコリー、モロヘイヤなどからも比較的多く摂取されています。
<ケルセチンの主な働き>
- 抗酸化作用により血流改善、老化・動脈硬化・生活習慣病などを防止する
- 抗炎症作用によって関節痛による痛みを緩和させる
- コレステロールや中性脂肪、血糖などを低下させることで、動脈硬化を予防する
- 脂肪分解酵素の働きを活発にさせて体脂肪を減少させる
- 骨粗鬆症の原因と言われている砕骨細胞の分化や機能を抑制する働きによって骨粗鬆症を予防する
独特な香りや涙がでる素「硫化アリル(アリシン)」
タマネギを切ると涙がでますが、これは揮発した硫化アリルが目や鼻の粘膜を刺激するためです。ネギや生ニンニクの辛みも硫化アリルによるものです。
硫化アリルにはさまざまな種類があり、その代表がアリシンです。アリシンは切ったり・つぶしたりして、細胞が壊れると特有の香りを発します。
料理の時には涙が出てしまってやっかいですが、実はかなり栄養価の高い成分です。
玉ねぎやその他のネギ類、ニラ、ニンニクなどに多く含まれます。
<硫化アリルの主な働き>
- 抗酸化作用により血流改善、老化・動脈硬化・生活習慣病などを防止する
- 消化液の分泌を助けて食欲を増進させる
- 新陳代謝・神経の沈静化・糖代謝、疲労回復に必要なビタミンB1の吸収と活性化を促す
- 強力な殺菌作用があり、サルモネラ菌や病原性のカビ、チフス菌、コレラ菌、寄生虫の駆除などに効果を発揮する
コクの素「グルタチオン」
グルタチオンはグルタミン酸、システイン、グリシンの3つのアミノ酸からできています。
活性酸素によるダメージから体を守る抗酸化作用のほか、解毒作用があるため美容や健康に役立つ成分として知られています。
グルタチオンを多く含む食品には、アスパラガスやブロッコリー、ほうれん草やアボガド、牛レバーや赤貝などがあります。
<グルタチオンの主な働き>
- 抗酸化作用により血流改善、老化・動脈硬化・生活習慣病などを防止する
- 体内で解毒酵素がつくられる力を活性化する働きがあるため、肝機能を高める効果が期待できる
- グルタチオンは水晶体や角膜に多く存在しており、白内障や角膜疾患などの眼病に対する予防効果がある

この3つの成分を合わせ持つ玉ねぎの皮は、非常に優秀な健康食品だといえるでしょう!
どの栄養にも抗酸化作用があることがポイントですね。
抗酸化作用って何?
ケルセチン、硫化アリル(アリシン)、グルタチオンの3つの成分に共通している働きとして、抗酸化作用があります。
抗酸化作用は玉ねぎの皮の効果・効能を語る上で、最も重要な働きといえるでしょう。
私たちの体にはもともと抗酸化作用が備わっていますが、20代をピークに減弱してしまいます。
体内での抗酸化酵素の生成を高めるためにも、食品から抗酸化作用を持つ栄養素を摂取することが大切です。
<活性酸素って何?>
私たちは、毎日呼吸によって酸素を取り込み、食べ物からエネルギーを作り出すときに使用しています。この過程の中で酸素の一部が変化し、活性酸素となります。
活性酸素は、普通の酸素に比べて、細胞を酸化させてしまう力が強いのが特徴です。
りんごを切ると、断面が酸素に触れることで黒く変色し、傷んでいきます。
あれが酸化です。
活性酸素は、もともと体内に侵入した細菌やウイルスの攻撃から体を守るために働くという大切な役割を持っていますが、過剰に発生しすぎると、自分自身の細胞をも攻撃してしまうのです。
そして、活性酸素による細胞のダメージは、老化や動脈硬化、生活習慣病などの原因になるとも考えられています。
<活性酸素はなぜ増える?>
活性酸素は、次のような生活習慣や生活環境によって、増加しやすくなることが知られています。
- ストレス:抗ストレスホルモンが分泌・分解される過程で活性酸素が発生します。
- 喫煙:タバコに含まれる有害物質を処理するために活性酸素が発生します。
- 暴飲暴食:体は食べた分だけ燃やしてエネルギーを作り出そうとするので、活性酸素の発生量も多くなります。
- 食品添加物:化学合成物が分解・解毒される過程で活性酸素が発生します。
- 紫外線:長時間紫外線を浴びて日焼けなどをしてしまうと、活性酸素が発生します。
- 激しい運動:大量のエネルギーを必要とし、大量の酸素を消費するため、活性酸素の発生量も多くなります。
- 排気ガスなどの大気汚染:排気ガスなどに含まれる有害物質が原因で活性酸素が発生します。
玉ねぎの皮の効果・効能まとめ

前記した内容を踏まえて、玉ねぎの皮に期待できる効果・効能を簡単にまとめるとこんな感じです。
- 血圧・血糖値・コレステロール値を正常に保つ
- 血液サラサラ効果
- 老化防止・アンチエイジング効果
- 美容、美肌効果
- デトックス効果
- ダイエット
- 便秘解消
- アレルギー症状改善・花粉症予防
- アトピー性皮膚炎改善
- がん予防
- 認知症予防
- むくみ改善
- 冷え症改善
玉ねぎの皮の栄養はどーやってとればいいの?
玉ねぎの皮は、たくさんの健康効果が期待できることが分かりました。

では玉ねぎの皮に含まれている栄養はどのように摂取すればいいのでしょうか?
そのまま生でムシャムシャ食べるわけにもいかない・・・
ということで、玉ねぎの皮の栄養を有効活用するための摂取方法についてご紹介していきます。
玉ねぎ皮茶
一番よく用いられるのは、玉ねぎの皮を使ったお茶「玉ねぎ皮茶」だと思います。
つくり方も非常に簡単。
<材料>
・水 200cc(コップ1杯分) ・玉ねぎの皮 1個分
<作り方>
- 皮をよく洗って約10分煮出すだけで・・・
⇒完成!!
(温かくてもOK!)
(冷たくてもOK!)

味も香りも独特の玉ねぎ感はほとんど感じません。
少し苦味は感じますが、お茶ってそういうもんですからね。
私はなんの抵抗もなく飲めます♪
煮出しすぎは、苦味が強くなるので注意しましょう。

- 自分でつくるのは少し面倒だ。
- 自分で玉ねぎ皮茶をつくってはみたが、味が合わない。
- 効率的に栄養を摂りたい。
というような方は試してみてもいいかもしれませんね。
お勧めはこちら↓

こちらの商品は、鳥取大学との共同研究で生まれた発酵たまねぎ皮の健康茶です。
当社独自(特許取得)の発酵技術により、通常のたまねぎ外皮よりも、サラサラ成分「ケルセチン」の量を1.4倍にUP 。
さらにたまねぎ外皮独特の味やニオイを改善 。たまねぎ外皮をはじめ、すべて国産の10種類の原料をブレンドすることにより、香ばしい風味で飲みやすく仕上げています。

ベジブロス(野菜のだし)
<材料>
・水 1L ・野菜くず 300~400g ・料理酒 小さじ1杯
<作り方>
- 鍋に水と野菜の切れ端を入れ、お酒を加えます。このお酒が、野菜の旨みを引き出してくれます
- 弱火で、20~30分加熱する。
- 火を止め、ボウルにざるをのせて野菜を濾して、完成です。
玉ねぎの皮ご飯
これあんまり聞かないですよね?
玉ねぎの皮を入れてご飯を炊くことで、玉ねぎの皮に含まれている栄養を摂取してしまおうという方法です。
ちなみに一緒に炊いた玉ねぎの皮は食べません。
<材料>
・精白米 適量 ・水 適量 ・玉ねぎの皮 適量
<作り方>
- ご飯を炊くとき、しっかり洗った玉ねぎの皮をいっしょに炊き込むだけ
※炊き上がったら皮は除くので、取り出しやすいよう、まとめて縛るか、だしパックやお茶パックに入れるのがおすすめです。

どれもとっても簡単なのでぜひやってみて下さいね♪

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