
てんぱぱぱ
こんにちは。管理栄養士のてんぱぱぱです。
今回は水溶性ビタミンでビタミンB群のひとつ、パントテン酸について要点をまとめます。
パントテン酸とは
パントテン酸は生物界に広く分布する栄養素で、ほとんどの食品に含まれています。
パントテン酸という名称は「どこにでもある酸」というギリシャ語に由来しています。
腸内細菌によって体内でもつくられます。
働き
- 糖質、脂質の代謝に働き、エネルギーを産生する。
- 副腎皮質ホルモンの合成に関与する。
- 自律神経伝達物質をつくるのに関与する。
- 免疫力を強化する。
- 解毒作用
(善玉コレステロールの増加や総コレステロール値、中性脂肪を下げる効果も報告されていますが、食事摂取基準には明記されていないので括弧にしておきます。)
こんな人におすすめ
- 風邪をひきやすい人
- ストレスがある人
- 食欲のない人
- 胃腸の弱い人
- 手足のしびれる人
- 髪のつやがない人
- 抗生物質を服用している人
- 妊婦、授乳婦
必要量(日本人の食事摂取基準2020年版)
日本人の食事摂取基準2020年版では、パントテン酸について目安量のみ設定されています。
日本人の食事摂取基準2015年版から2020年版で変更になった数値は赤でマークしています。
- 推定平均必要量:50%の人が必要量を満たす量
- 推奨量:ほとんどの人(97~98%)が必要量を満たす量。推定平均必要量を用いて算出される。
- 目安量:栄養状態を維持するのに十分な量。十分な科学的根拠がなく「推定平均必要量」が算定できない場合に算定する。
- 耐容上限量:健康障害の危険がないとみなされる習慣的な摂取量の上限。
- 目標量:生活習慣病の予防を目的に目標とすべき摂取量。
パントテン酸の食事摂取基準(mg/日)
性別 | 男性 | 女性 |
年齢等 | 目安量 | 目安量 |
0~5(月) | 4 | 4 |
6~11(月) | 5 | 5 |
1~2(歳) | 3 | 4 |
3~5(歳) | 4 | 4 |
6~7(歳) | 5 | 5 |
8~9(歳) | 6 | 5 |
10~11(歳) | 6 | 6 |
12~14(歳) | 7 | 6 |
15~17(歳) | 7 | 6 |
18~29(歳) | 5 | 5 |
30~49(歳) | 5 | 5 |
50~64(歳) | 6 | 5 |
65~74(歳) | 6 | 5 |
75以上(歳) | 6 | 5 |
妊婦(付加量) | 5 | |
授乳婦(付加量) | 6 |
欠乏症
普通の食生活を送っていれば、欠乏の心配はありません。
しかしアルコールやカフェインを多く摂取すると、パントテン酸を多く消費するため不足しやすくなります。
また長期にわたって抗生物質を使用している人は腸内細菌による供給が期待できないので食事でしっかり摂る必要があります。
≪主な症状≫
- 成長停止
- 副腎障害
- 手足のしびれ
- 灼熱感
- 頭痛
- 疲労
- 不眠
- 胃不快感を伴う食欲不振
過剰症
通常の食品を摂取している人で、過剰摂取による健康障害が発現したという報告はありません。
大量投与により、一部の人が吐き気、食欲不振、腹部の痛みが発現したことがありますが、データが十分ではない為、食事摂取基準2020では耐容上限量の設定はしていません。
多く含む食品
動植物の細胞に広く存在するパントテン酸は、ほとんどの食品に含まれています。特に豊富に含まれているのはレバーです。
≪主な食品≫
レバー、肉、魚、卵、納豆、アボガド、さつまいも、干ししいたけ
まとめ
今回はパントテン酸についてまとめました。
要約すると次の通りです。
- 水溶性ビタミンの一つ
- 糖・脂質の代謝や、副腎皮質ホルモンの合成、自律神経伝達物質の合成、免疫力強化、解毒などの働きがある。
- 必要量は成人男性で6mg/日、成人女性で5mg/日。
- 通常は欠乏しないが、アルコール・カフェインをたくさん摂る人や長く構成物質を使用している人は注意。
- 通常は過剰症の心配はない。
- ほとんどの食品に含まれている。特にレバーに多い。

てんぱぱぱ
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
コメント
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