
こんにちは。管理栄養士のてんぱぱぱです。
今回はレーズンについての研究報告をご紹介します。
最近ではフルーツグラノーラなどが流行っていますね。
ドライフルーツはなんとなく体にいいイメージがありますが、本当にそうなんでしょうか?
研究結果を基に正しい知識を確認していきましょう。
こちらの内容は、日本ニュートリション教会情報を元に作成しています。
研究内容報告
はじめに
レーズンはおいしさだけでなく、ヘルシーフードとしても注目されています。
かつては、お菓子やパンの材料として身近なレーズンですが、グラノーラなどのシリアルでの組み合わせも好評です。
ドライフルーツやナッツが食物繊維やビタミン・ミネラルを豊富に含むとして、注目されていることも追い風になっています。
これまでも、循環器機能への有用性や血糖値抑制などの機能性研究が盛んに行われてきたレーズンですが、イタリアとチリの研究班が先行研究のレビューを学術誌「Nutrients」に報告しました。
報告によると、近年ブームとなっている腸内細菌叢への影響やがんやアルツハイマー疾患への有用性などの領域にも機能性研究が広がっています。
ぜひ、美味しくヘルシーなレーズンの機能性を知り、食生活の参考にしてみてください。
レーズンはヘルスフードといえるか?
レーズンは世界中で摂取されている干しぶどうで、ヒトの健康に有益な成分が含まれている。
有効な成分として、干しぶどうにはフェノール化合物などの繊維質やフィトケミカルを豊富に含んでいる。糖度は60%に上る。
レーズンの健康増進に関する特性は複数の先行研究で報告されてきた。
本研究では、これまでに実施された細胞レベルの研究や動物研究のみならず、ヒト介入研究もレビューした。
レーズンは低〜中程度のグリセミックスインデックスであり、血糖値上昇が緩やかであるため、ヘルシーなおやつになりうる。
レーズンはより食事の質の向上に貢献できる素材でもあり、食欲を抑制することも期待されている。
また、レーズンの抗酸化能力はフェノール含有量と相関を示し、心血管の健康改善をもたらす可能性がある。
さらに、レーズンは、抗菌活性、歯付着性の低さ、および口腔内のpHを適正に保つことにより、良好な口腔衛生の維持をもたらしうる。
レーズンの摂取は大腸機能にとって好ましいことが指摘されており、その有用性についてエビデンスを構築するためにはさらなる研究が必要といえるだろう。
レーズンはプレバイオティクス機能を発現することにより、腸内細菌叢に影響を及ぼすといわれている。
細胞レベルの研究や動物試験により、がんやアルツハイマー病などの特定の疾患に対する、潜在的な利点が示唆されている。
現時点で明らかなことは、一日の食事に合計80〜90 gのレーズン(カップ半分程度)を取り入れることが、ヒトの健康に好ましい影響を及ぼすことが期待されている。
考察
本レビューの結果をまとめます。
レーズンには次のような効果が期待できる。
- ヘルシーなおやつになりうる。(低〜中程度のグリセミックスインデックスであり、血糖値上昇が緩やか)
- 食欲の抑制(GABA(不安を抑える神経伝達物質)の増加)
- 心血管の健康改善。(フェノールの抗酸化能力)
- 良好な口腔衛生の維持。(抗菌活性、歯付着性の低さ、口腔内のpHを適正に保つ)
- 腸内細菌叢への好影響(プレバイオティクス機能の発現)。
- がんの予防(発がん物質の希釈、排泄、胆汁酸濃度の低下、腸内PHの低下)
- アルツハイマー病の予防。(フェノールの抗酸化能力)一日の食事に合計80〜90 gのレーズン(カップ半分程度)を取り入れることが、ヒトの健康に好ましい影響を及ぼすことが期待されている。
このように、本研究ではレーズンの多様な効果について報告がなされました。
「レーズンは体によさそう」という事がレビューで再確認されたわけです。
しかし本研究の内容は、あくまで「なりうる」「期待される」「可能性がある」などの表現で報告されています。
今後は、「-だ!」と言い切れるようなエビデンスを確立するため、さらなる研究が必要であり、ヒト介入研究による検証が待たれるところです。
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