増えている逆流性食道炎 治療のために大切な事とは

病院栄養士の仕事
てんぱぱぱ
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こんにちは。管理栄養士のてんぱぱぱです。

今回のテーマは逆流性食道炎です。

 

逆流性食道炎とは、胃酸を多く含む胃の内容物が食道に逆流し、胸やけや胃液が口内に逆流する呑酸(どんさん)などを引き起こす病気です。

食の欧米化や肥満の増加、高齢化などを背景に増えています。

なかには症状はあるのに、内視鏡検査を行っても食堂にただれ(びらん)などがみられないタイプもあります。

逆流性食道炎についての基本的な知識を確認し、逆流性食道炎を防いでいきましょう。

 

逆流性食道炎はなぜ起こる?

逆流性食道炎の主な症状は、胸やけと呑酸です。

呑酸とは、のどのあたりや口のなかが酸っぱいと感じたり、胃のなかのものが逆流する感じがする症状です。

これらの症状は、食後2~3時間で起こることが多いですが、空腹時や夜間にもみられます

 

胃酸が逆流する原因はいくつかあります。

胃と食道の間は、下部食道括約筋によって普段は閉じられていますが、食べ物を飲み込むとこれが開き、食べ物が胃のなかに送り込まれます。

しかし、加齢とともに下部食道括約筋がゆるんだり、胃と食道のつなぎ目がせり上がる食道裂孔ヘルニアになったりして、胃酸が食道に逆流しやすくなるのです。

 

胃酸の逆流は、下部食道括約筋のゆるみなどがなくてもよく起こりますが、食道の蠕動運動(食べ物を胃に送り込む動き)が活発であれば、すぐに胃酸は胃に戻されます。

しかし、食道の蠕動運動が弱くなると、胃酸が食道にたまってしまう為、ただれ(びらん)や潰瘍が生じます。

 

胃酸は食べ物をどろどろに溶かし、殺菌もする強力な酸です。

胃の粘膜は胃酸の影響を受けませんが、食道の粘膜は、長時間胃酸にさらされると、ただれてしまうのです。

 

胸やけがひどいと、夜ぐっすり眠れない、仕事に集中できない、食べたいものが食べられない、気分が落ち込むといった症状につながり、また胸やけや呑酸のほかに、のどの違和感、よく咳き込む、声がかれるなどの症状があらわれることもあります。

 

逆流性食道炎の種類

逆流性食道炎で、食道にびらんなどがあっても、胸やけや呑酸など自覚症状がないことがあります。

これを「無症候性逆流性食道炎」といいます。

 

反対に、胸やけなどの症状があるにもかかわらず、内視鏡検査を行っても、食道にびらんや潰瘍が認められないこともあり、「非びらん性胃食道逆流症」と呼びます。

 

自覚症状と食道のびらん等がある逆流性食道炎無症候性逆流性食道炎非びらん性胃食道逆流症をまとめて「胃食道逆流症(GERD・ガード)」といいます。

 

<胃食道逆流症>

食道粘膜のびらん・潰瘍など自覚症状
あるない
ある逆流性食道炎無症候性逆流性食道炎
ない非びらん性胃食道逆流症

 

これらを調べる検査は、内視鏡検査、胃酸分布測定、PPIテストの3つです。

内視鏡検査は、食道にびらん等があるかどうかを直接観察できるので、逆流性食道炎なのか、非びらん性胃食道逆流症なのか見極められます。

また食道裂孔ヘルニアの有無もわかります。

 

胃酸分布測定は、食道の粘膜がどの程度胃酸にさらされているかを調べる検査で、細い管(カテーテル)を鼻から胃に通し、24時間、胃と食道のなかのPH値を測定します。

外来で行う場合と、1泊入院して行う場合があります。

 

PPIテストは、胃酸の分泌を抑えるプロトンポンプ阻害剤(PPI)という薬を飲み、症状が改善するかどうか確かめる検査です。

PPIを1~2週間飲んで症状が改善すれば、逆流性食道炎の可能性が高いと判断します。

 

胃食道逆流症の治療法とは

治療法は、胃食道逆流症3種のどれであっても胃酸の分泌を抑える薬の内服を基本に、症状を悪化させる生活習慣の改善も行います。

 

薬を飲み始めて、自覚症状が治まっても食道のびらん等が消えるまでにはある程度時間がかかるので、内視鏡検査でびらん等が消え、食道粘膜がきれいになっていることが確認できるまで、薬は飲み続けましょう。

中途半端に薬をやめると、再発してしまうことがあります。

 

生活習慣の改善は、症状を軽くし、再発を防ぐのに有効です。

脂っこいもの、甘いもの、辛いもの(刺激の強いもの)、アルコールは胃酸の分泌を促進するので、食べ過ぎないようにしましょう。

食後すぐに横にならない、ベルトや下着でウエストを締め付けない、前かがみにならないように気をつけ、夜寝るときは上半身を少し高くして、胃酸が逆流しないようにするといったことも、症状の改善に役立ちます。

また、禁煙も症状を改善させます。

 

肥満が逆流性食道炎の原因になることもあるので、肥満の人は、食事の改善と適度な運動で、減量することが大切です。

 

逆流性食道炎は、生命に直結する病気ではありませんが、つらい症状のために生活の質(QOL)が低下します。

また、逆流した胃酸が気管に入り込み、喘息発作を誘発したり、高齢者の場合は誤嚥性肺炎の原因になることもあるので、きちんと診断を受け、適切な治療を始めましょう。

 

逆流性食道炎の治療

<薬物療法>

  • 胃酸の分泌を抑える薬の内服

<生活習慣の改善>

  • 胃酸の分泌を促進する脂っこいもの、甘いもの、辛いもの(刺激の強いもの)、アルコールは控える
  • 炭酸飲料は控える
  • 禁煙
  • 肥満の改善
  • 食後すぐに横にならない
  • ベルトや下着でウエストを締め付けない
  • 前かがみにならないように気をつける
  • 夜寝るときは上半身を少し高くする

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