塩分の摂取量と肥満の関連性とは

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てんぱぱぱ
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こんにちは。管理栄養士のてんぱぱぱです。

今回は塩分と肥満の関係性についての研究報告についてご紹介します。

 

塩分の過剰摂取で一番にイメージするのは「高血圧」という方が多いのではないでしょうか?

しかし塩分の摂りすぎはそれだけではなく、老化や癌の原因になるという報告もあります。

 

そして今回は肥満です。

 

肥満はそれだけでも生活習慣病(糖尿病、高血圧、脂質異常症など)の原因となります。

内臓脂肪型肥満をきっかけにする糖代謝異常・脂質代謝異常・高血圧の状態をメタボリックシンドロームといいます。

 

「メタボ、メタボ♪」なんてかわいい感じで呼ばれているイメージもありますが、実は非常に怖い状態です。

放っておくと将来、脳梗塞・心筋梗塞などといった重篤な病気につながる可能性があります。

 

一昔前は、メタボリックシンドロームと似たような状態を「死の四重奏」と呼んでいました。

「死の四重奏」の方が恐ろしさは伝わりやすいですね。

「死の四重奏」

1989年にアメリカで提唱された概念。
上半身肥満・糖代謝異常・高中性脂肪血症・高血圧の4つが重なり、冠動脈疾患が起きやすい状態。

 

メタボリックシンドロームの概念のいわば前身で、上半身肥満・糖代謝異常(糖尿病)・高中性脂肪血症(高脂血症)・高血圧が合併した状態を指します。
1989年にアメリカの研究者カプラン(Kaplan NM)によって提唱され、冠動脈疾患による死亡率が高く、まさに死の序曲を奏でるという意味合いから「死の四重奏(The Deadly Quartet)」と呼ばれました。

メタボリックシンドロームの概念との違いが曖昧に紹介されることがよくありますが、メタボリックシンドロームでは糖代謝異常・脂質代謝異常・高血圧の上流に、それらの原因として内臓脂肪蓄積を置いている点が大きく異なります。

メタボリックシンドロームは、この死の四重奏をはじめシンドロームX・インスリン抵抗性症候群・マルチプルリスクファクター症候群などの一連の概念を最終的に整理したものといえます。なお特定健診・特定保健指導では、メタボリックシンドロームの和名表記の同義語として「内臓脂肪症候群」の呼称を用いています。

 e-ヘルスネットより引用

塩分が肥満にも影響を与えてしまうとすれば、血圧に対してはダブルパンチになってしまいますし、他にも様々な悪影響が出てきてしまうことも考えられますね。

 

それではどのような研究結果がでているのか、一緒に確認していきましょう。

こちらは日本ニュートリション教会の情報を元に作成しています。

研究報告

はじめに

「塩分を控えよう:塩分のとりすぎは肥満のリスク」

 

塩分のとりすぎが高血圧の原因になることはよく知られていますが、近年肥満との関連も注目されています。

塩分の過剰摂取は、空腹感を増加させ食欲を亢進させることから、過食のリスクといえるでしょう。

肥満と高血圧は密接な関連があり、その予防には十分な減塩と体重制限が必要です。

5月号の米国臨床栄養学雑誌(AJCN)には、日本、米国、中国、英国が参加する国際研究班から、塩分と非案に関する研究報告がなされています。

塩分管理、カロリー制限や糖質・脂質制限の食事でも、必要な栄養が不足しないよう、サプリメントの上手な活用がますます重要となっています。

抄録

日本、中国、イギリス、およびアメリカにおける食塩摂取と過体重/肥満の有病率:INTERMAP研究

 

研究背景

いくつかの研究では、食事からの塩分摂取は過体重/肥満の独立した危険因子である可能性があると報告されているものの、先行研究の結果は一貫していない。

その背景には、それぞれの研究データが単一国や単一センターに依拠する被験者集団で評価されていることや、24時間蓄尿ではなく一回採取尿をデータとしていること、食事摂取データを思い出し法で聴取していること、等が、研究の限界として議論されている。

 

【研究目的】

本研究の目的は、微小栄養および主要栄養素と血圧の国際研究(INTERMAP研究)のデータを使用して、24時間蓄尿の2回実施から推定される食事由来の塩分摂取量と体格指数(BMI)、過体重/肥満の関係を、日本、中国、イギリス、およびアメリカで調査することとした。

 

【研究方法】

分析対象として40〜59歳の4,680人の男女の横断研究の結果を用いた。

内訳は、日本(n = 1,145)、中国(n = 839)、イギリス(n = 501)、およびアメリカ(n = 2,195)である。

BMIと塩分摂取量の関係は一般線形モデルで解析し回帰計数を求めた。

多変量ロジスティック回帰モデルにより、高い食事塩摂取量と過体重/肥満のオッズ比および95%信頼区間を決定した。

 

【研究結果】

  • 総熱量を含む潜在的な交絡因子を調整した後、塩分の摂取が一日あたり1g増えることがBMI値を、日本では0.28、中国では0.10、イギリスでは0.42、そしてアメリカでは0.52、押し上げていることが明らかとなった。

 

  • 塩分摂取量が一日あたり1グラム増えるごとに過体重/肥満のリスクが日本で21%上昇、中国で4%上昇、イギリスで29%上昇、そしてアメリカで24%上昇し、その変化は統計学的に有意なものであった(P<0.05)。

【結論】

塩分摂取量は、日本、中国、イギリス、そしてアメリカでBMIと過体重/肥満の有病率と正の相関があった。

この相関は、食事内容やBMI測定を繰り返し評価する前向き研究でさらに検証する必要があるだろう。

 

URL:https://academic.oup.com/ajcn/advance-article-abstract/doi/10.1093/ajcn/nqz067/5492592?redirectedFrom=fulltext

出典:Am J Clin Nutr. 2019 May 21. pii: nqz067. doi: 10.1093/ajcn/nqz067.

感想

今回の研究報告では、「塩分の過剰摂取は肥満の原因となる」という結果となりました。

なぜ塩分を過剰に摂取すると肥満になるのかというメカニズムについては触れられていませんでしたね。

 

別の研究では、塩分が肥満の原因となる理由として次のような見解を示しています。

 食事で塩分を取り過ぎると、味覚が鈍り食欲が増すことで、肥満につながるとオーストラリアのディーキン大学のラッセル・S・J・キースト博士らが医学誌オンライン版で報告した。
 同博士らは、18~54歳の健康な男女48人を対象に、4回の昼食を設定し、味付けの違うトマトソースパスタ(①低脂肪/低食塩②低脂肪/高食塩③高脂肪/低食塩④高脂肪/高食塩)を食べてもらい、味覚や食欲への影響を調べた。
 その結果、脂肪分の多少にかかわらず、塩分の多い食事を取ると食欲が増し、摂取エネルギーの量が平均で11%増えた。また、脂肪の味に敏感な人は、高脂肪の食事であれば少しの量で満足できるが、それは塩分の少ない食事の場合に限られたという。
 同博士らは「塩分の多い食事を取ると、味覚が鈍り、たくさん食べないと満足できなくなるのかもしれない」と述べた。(メディカルトリビューン=時事)

現状では、塩分が直接的に肥満につながるというよりは、食欲を増進させることで食事を過剰に摂取してしまい、それが肥満につながるといった間接的な関与が考えられているようです。

では、塩分の適正量ってどのくらいなのでしょう?

 

日本人の食事摂取基準2020では、塩分摂取の目標量を次のように設定しています。

18歳以上男性:7.5g/日未満

18歳以上女性:6.5g/日未満

では、逆に最低限とらなければならない塩分ってどのくらいなのでしょうか?

 

これについては日本人の食事摂取基準2020では、成人の推定平均必要量(50%の人が必要量を満たす量)を1.5g/日と出しています。

 

これはあくまで基準となる量で、たくさん汗をかいたり、利尿剤などの薬を使っている人など例外は多くありますが、塩分1.5g/日であれはふつうに食事をしていれば、間違いなく自然に摂取できる量ですね。

 

薄味でも、だしや香辛料を上手に使うなど工夫をすれば美味しい食事をつくることが出来ます。

又薄味の食事を継続することで、味覚がそれに慣れて、最初は薄く感じていたお食事を美味しく感じるようにもなってきます。

 

塩分控えめのお食事を美味しく食べて、健康増進に努めていきましょう。

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最後まで読んで頂いてありがとうございました。

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