セレン(Se)とは 初心者でもわかる簡単要点まとめ。

栄養基礎知識
てんぱぱぱ
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こんにちは。管理栄養士のてんぱぱぱです。

今回はセレンについてポイントをまとめていきたいと思います。

 

こちらの内容は、「日本人の食事摂取基準2020年版」「日本ニュートリション教会 サプリメントアドバイザー資料」等から要点をまとめています。

セレン(Se)とは

セレンとは微量ミネラルのひとつで、原子番号34、元素記号Seのハロゲン元素です。

成人の生体内に約13mg 存在しています。

セレンは魚介類に多く含まれていますが、植物性食品と畜産物のセレン含有量は、それぞれ土壌と飼料中のセレン含有量に依存して変動します。

働き

セレンは、体内で過酸化脂肪酸(酸化された脂肪酸)の分解に働きます。

過酸化脂肪酸は、組織を老化させ、動脈硬化の引き金になるといわれています。

また特にビタミンEと協力して血液の流れを改善します。

セレンの抗酸化作用は、ビタミンEの50~100倍といわれ、過酸化物を解毒する抗酸化酵素であるグルタチオンペルオキシターゼチオレドキシンレダクターゼの活性成分となり、細胞を酸化還元反応によって活性酸素から守り、老化を遅延させます。

また、セレン依存性のヨードチロニン脱ヨウ素酵素は、甲状腺ホルモンを作るのに関与します。

さらに、免疫応答を組織化するサイトカインの発現を調節することで免疫機能を高めたり、がんに対する発生頻度を低減させるとの報告もあります。

セレンの主な働き

  1. 抗酸化作用
  2. 免疫機能を高める
  3. 血管の老化を防ぐ
  4. 血液凝固抑制

こんな人におすすめ

(抗酸化作用)

  • 動脈硬化を予防したい人
  • 老化を遅らせたい人
  • ストレスの多い人
  • 飲酒、喫煙をする人
  • 激しい運度を行う人

(セレンの欠乏予防)

  • 加工食品中心の食生活をしている人

消化、吸収、代謝

食品中のセレンの多くは、含セレンアミノ酸の形態で存在します。

遊離の含セレンアミノ酸は90% 以上が吸収されることが示されており、食事中セレンも同程度に吸収されると考えられます。

尿中セレン濃度がセレン摂取量と強く相関することから、セレンの恒常性は吸収ではなく、尿中排泄によって維持されると考えられます。

必要量(日本人の食事摂取基準2020年版)

日本人の食事摂取基準2020年版では、セレンについて推定平均必要量、推奨量(0才児には目安量)耐容上限量(0才児はなし)が設定されています。

  • 推定平均必要量:50%の人が必要量を満たす量
  • 推奨量:ほとんどの人(97~98%)が必要量を満たす量。推定平均必要量を用いて算出される。
  • 目安量:栄養状態を維持するのに十分な量。十分な科学的根拠がなく「推定平均必要量」が算定できない場合に算定する。
  • 耐容上限量:健康障害の危険がないとみなされる習慣的な摂取量の上限。
  • 目標量:生活習慣病の予防を目的に目標とすべき摂取量。

成人男性

(18歳~74歳)

  • 推定平均必要量:25μg/日
  • 推奨量:30μg/日
  • 耐容上限量:450μg/日

(75歳以上)

  • 推定平均必要量:25μg/日
  • 推奨量:30μg/日
  • 耐容上限量:400μg/日

成人女性

(18歳以上)

  • 推定平均必要量:20μg/日
  • 推奨量:25μg/日
  • 耐容上限量:350μg/日

(妊婦)

  • 推定平均必要量:+5μg/日
  • 推奨量:+5μg/日

(授乳婦)

  • 推定平均必要量:+15μg/日
  • 推奨量:+20μg/日

欠乏症

セレンが欠乏すると、免疫力が低下して感染症にかかりやすくなり、活性酸素の影響による健康障害も起こります。

また亜鉛とセレン欠乏が長期に続くと味覚障害を引き起こす場合があります。

さらにセレン欠乏症は、心筋障害を起こす克山病、カシン・ベック病などに関与しています。

(セレン欠乏の症例)

  • 完全静脈栄養中に、血漿セレン濃度の著しい低下(9μg/L)、下肢筋肉痛、皮膚の乾燥・薄片状などを生じた、また心筋障害を起こして死亡した症例が報告されています。

主な症状

  1. 心筋障害(克山病、カシン・ベック病など)
  2. 筋肉低下
  3. 動脈硬化
  4. 老化
  5. 不整脈

過剰症

セレンの場合、通常の食品において過剰摂取が生じる可能性は低いです。

しかしサプリメントの不適切な利用に伴って過剰摂取が生じ、中毒症状を起こす可能性があります。

慢性セレン中毒で最も高頻度の症状は、毛髪と爪の脆弱化・脱落です。

その他の症状には、胃腸障害、皮疹、呼気にんにく臭、疲労、過敏、神経系異常があります。

誤飲や自殺目的でグラム単位のセレンを摂取した場合の急性中毒症状は、重症の胃腸障害、神経障害、呼吸不全症候群、心筋梗塞、腎不全などです。

主な症状

  1. 毛髪、爪の脆弱化
  2. 胃腸障害
  3. 皮疹
  4. 呼気にんにく臭
  5. 疲労
  6. 過敏
  7. 神経系異常

生活習慣病との関連

糖尿病との関連
血清セレン濃度の上昇が糖尿病発症率の増加に関連することが認められている。

(皮膚がん既往者に200μg/日のセレンサプリメントを平均4.5 年間投与したアメリカの介入研究)

心血管系疾患との関連

血清又は足爪セレン濃度の低い群は高い群に比較して、心血管系疾患発症リスクが高いというコホート研究がある。

しかし、介入研究をまとめた論文は、心血管系疾患予防目的でセレンを投与しても効果は認められないとしている。

高血圧との関連

セレンと高血圧症に関する疫学的観察研究をまとめた論文は、セレン状態と高血圧症との間に関連はないと結論している。

血清脂質との関連

アメリカとイギリスでの大規模な横断研究は、血清のセレン濃度と脂質成分値(コレステロールと中性脂肪)の関連がU 字型であることを示している。

多く含む食品

魚介類、海藻類、穀類、豆類、肉類に多く含まれます。

主な食品

牛肉、羊肉、レバー、わかさぎ、いわし、たら、かれい、ホタテ、ネギ、玉ねぎ、玄米、柿

まとめ

今回はセレンについてまとめました。

要点は次の通りです。

  1. 微量ミネラルのひとつで、原子番号34、元素記号Seのハロゲン元素。
  2. 主な働きは、①抗酸化作用、②免疫機能を高める、③血管の老化を防ぐ、④血液凝固抑制など。
  3. 成人男性の推奨量30μg/日、耐容上限量400~450μg/日、成人女性の推奨量25μg/日、耐容上限量350μg/日。
  4. 欠乏症には、①心筋障害、②筋肉低下、③動脈硬化、④老化、⑤不整脈などがある。
  5. 過剰症には、①毛髪、爪の脆弱化、②胃腸障害、③皮疹、④呼気にんにく臭、⑤疲労、⑥過敏、⑦神経系異常、⑧2型糖尿病などがある
  6. 魚介類、海藻類、穀類、豆類、肉類に多く含まれる。

 

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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

コメント

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