
こんにちは。管理栄養士のてんぱぱぱです。
依然として新型コロナウイルスの猛威が続いています。
3密を避ける、マスクをつけるなどの感染予防対策が求められていますが、もう一つ非常に重要な対策があります。
それは、ウイルスに負けないからだをつくることです。
ウイルスに負けないためには、免疫力を高める必要があります。
免疫力を高める方法は色々あります。
代表的な方法は次の通りです。
免疫力を高めるためには・・・
- 身体を動かす
- 栄養バランスのよい食事
- 質のよい睡眠
- よく笑う
- 身体を温める
- リラックスできる時間をつくる
- 腸内環境を整える
今回は、免疫を高める機能性食品の情報についてご紹介します。
免疫力を高めて、ウイルスに負けないからだをつくりましょう。
(こちらの内容は森永乳業の情報をもとに作成しています。)
はじめに
近年、食品成分が腸内フローラや生体の免疫系に作用することが示され、ウイルスや細菌に対する感染防御作用が期待されています。
森永乳業では、「腸内フローラ」や「乳のチカラ」に着目して、免疫力向上や感染防御に繋がる次のような機能性食品素材の研究を進めています。
<ビフィズス菌BB536> 整腸作用、抗アレルギー作用、ウイルス感染防御作用など様々な保健機能が認められているヒト由来のビフィズス菌 |
<シールド乳酸菌> 免疫調節作用に着目して開発された汎用性の広い加熱殺菌乳酸菌 |
<オーラバリア> 乳や唾液に含まれる抗菌性タンパク質ラクトフェリンとラクトパーオキシダーゼを応用して開発された口腔衛生素材 |
これらの機能性食品素材は、それぞれ特徴的な作用メカニズムによって効果を示すと考えられ、様々な検討が行われてきました。
本稿では、各素材の感染防御に対する有用性を紹介します。
腸内環境を整える「ビフィズス菌BB536」~腸から全身の健康へ~
腸は栄養吸収の器官であるだけでなく、免疫細胞が集まる最大級の免疫器官です。
また、大腸内には数百種類、40兆個にものぼる腸内細菌が棲息しており、免疫系に大きな影響を与えています。
例えば、抗生物質を投与したマウスにインフルエンザウイルスを感染させた研究では、抗生物質を投与していない通常の腸内フローラのマウスに比べて、抗生物質を投与したマウスでは、鼻腔内IgA(粘膜で主体的に活躍している免疫物質)の減少や肺胞中のウイルス数の増加が認められ、腸内細菌が上気道ウイルス感染防御に影響することが示されています。
森永乳業では、腸内フローラの善玉菌であるビフィズス菌に注目し、その感染防御作用をはじめとした保健機能を研究しています。
ビフィズス菌BB536は、ヒトの腸管から発見されたビフィズス菌で、米国の食品の安全性に関する指標であるGRAS認証を取得している安全性の高い菌株であり、臨床試験により感染防御作用が検証されています。
65歳以上の高齢者を対象にインフルエンザ感染におけるBB536摂取(1000億/日)の効果を検証した試験では、BB536投与群ではインフルエンザ発症者数と38℃以上の発熱者数が有意に減少し、末梢血リンパ球のNK細胞活性と好中球殺菌能の増加が認められました。
好中球 :白血球の1つ。食細胞であり、細菌や様々な外来細胞を捕食する免疫細胞
また経腸栄養管理を受ける高齢者がBB536(1000億/日)を摂取した研究では、対照群では試験期間中にNK細胞活性の低下がみられましたが、投与群では活性の低下はみられず、BB536の投与によってNK細胞活性が維持される傾向がみられました。

腸の免疫系に働きかける加熱殺菌乳酸菌「シールド乳酸菌」
プロバイオティクスと呼ばれる生きた菌の生理効果は、整腸効果や感染防御作用だけでなく、抗肥満効果、抗アレルギー作用など全身の健康状態の維持・改善作用が報告されています。
プレバイオティクス:体にいい働きをする菌の餌となる食品成分
シンバイオティクス:プロバイオティクスとプレバイオティクスを一緒に摂取すること、またはその両方を含む飲料や製剤など
一方で、生菌であるが故に配合できる製品形態が制限されてしまうのが課題であり、製品形態に影響されづらい加熱殺菌体の保健機能に関する研究も近年注目されています。
シールド乳酸菌は、加熱殺菌された状態でも高い免疫調節作用が期待できる菌株で、従来では生菌の配合が困難な味噌汁、飲料、菓子、調味料、そして流動食など様々な形態の食品に配合され幅広く利用されています。
殺菌体の作用機序は未解明の部分も多くありますが、ペプチドグルカンや核酸(DNA、RNA)、リポテイコ酸などの菌体成分によるToll様受容体(TLR)などのパターン認識受容体(PRR)を介した作用が推測されています。
Toll様受容体(TLR)とは、細菌やウイルスなどの特徴的な構造を見分けるセンサー(受容体)のこと。TLRはパターン認識受容体(PRR)を介して微生物の持つ共通した分子構造(PAMP)を認識する。PRRは、PAMPを認識すると、細胞内シグナル伝達系を活性化し、病原体排除に必要な生体防御機構を誘導する。
TLRはマクロファージ樹状細胞などの免疫細胞に発現しており、TLRを介して生体防御に係わる免疫シグナルを活性化し、感染防御などに働くと考えられます。
その結果、被験者全体ではワクチン接種の応答性に差は見られませんでしたが、免疫応答性が低下した85歳以上の超高齢者では、乳酸菌摂取群は3つの抗原全てでワクチン抗体価が有意に上昇したのに対し、プラセボ群で有意に上昇したのは、A/H3N2のみでした。
また、乳酸菌摂取群では、被験者の抗体価が上昇した抗原数の増加がみられました。
加齢など特に免疫力の低下した集団においてシールド乳酸菌の摂取がワクチン接種の応答性に影響を与える可能性が示唆されました。

免疫力の低下した人が、シールド乳酸菌を摂取するとウイルスへの感受性が高まることが期待できるという事です。
また、18歳以上の健康な女性がシールド乳酸菌(100億/日)を12週間摂取し、冬季感冒症状への影響を臨床試験で検討しました。
前年に風邪を発症した風邪をひきやすい集団で、摂取期間中の風邪の発症率と症状重症度の有意な改善が認められ、風邪をひきやすい人で、風邪症状の発症の抑制や症状を軽減する効果が示唆されました。
お口の健康をサポートする「オーラバリア」の呼吸器感染予防の可能性
乳や唾液などの外分泌液には、外敵から身体を守る様々な成分が含まれています。
乳タンパク質であるラクトフェリンやラクトパーオキシダーゼは唾液にも含まれ、口腔や呼吸器の感染防御に重要な役割を担っています。
<ラクトフェリンの作用メカニズム>
- 細胞へのウイルスの付着を抑制すること
- 免疫物質の産生を誘導して細胞内でのウイルスの増殖を抑制する
それ自身に抗ウイルス活性はないが、酵素反応で生じる有効成分の次亜チオシアン酸が強力な抗ウイルス活性を示す
森永乳業では、数十年にわたってラクトフェリンやラクトパーオキシダーゼを研究し、お口の健康をサポートする「オーラバリア」を開発しました。
これまでに、歯肉の腫れ、口内フローラ、口臭などに対する臨床効果が検証されています。
ラクトフェリンとラクトパーオキシダーゼの抗ウイルス効果に注目し、オーラバリア配合錠菓の継続摂取による感冒症状に対する効果を探索的に検討しました。
オーラバリア摂取群と非摂取群にランダムに分け冬季に8週間評価したところ、マスク習慣がない部分集団では、摂取群で38℃以上の発熱日数の低下がみられました。
このように、マスクやうがいが利用できない状況下では、予防手段を補完できる可能性が示唆され、新たな活用法の可能性として期待されています。
<基礎研究により抗ウイルス作用が報告されている呼吸器感染関連ウイルス>
ラクトフェリン | ライノウイルス RSウイルス パラインフルエンザウイルス コロナウイルス インフルエンザウイルス アデノウイルス ポリオウイルス エンテロウイルス コクサッキーウイルス エコーウイルス |
ラクトパーオキシダーゼ | インフルエンザウイルス RSウイルス エコーウイルス |
まとめ
今回は、ビフィズス菌BB536、シールド乳酸菌、オーラバリアといった機能性食品素材の感染防御機能や作用メカニズムについて紹介しました。
ウイルスに感染しない努力だけでなく、感染しにくい身体をつくる努力も大切というお話でした。
今回ご紹介した機能性食品素材は、ウイルスに負けない身体づくりの一助を担ってくれることでしょう。
ビフィズス菌BB536、シールド乳酸菌、ラクトフェリンを手軽にしっかり摂りたい方はこちらがおすすめ▼
・ビフィズス菌BB536(生菌):20億個
・シールド乳酸菌(殺菌):100億個
・ラクトフェリン:20mg
配合の優れもの。スティックタイプで使いやすいです。
しかし、免疫力アップは栄養だけで達成することは出来ません。
最初に紹介した免疫力を高める方法を意識しながら、身体も心も健康に過ごせるといいですね。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
コメント