ビタミンAとは 食事摂取基準2020対応かんたん要点まとめ

栄養基礎知識
てんぱぱぱ
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こんにちは。管理栄養士のてんぱぱぱです。

今回は脂溶性ビタミンのひとつ、ビタミンAについて簡単にまとめていきます。

ビタミンAとは

ビタミンAは水に溶けない脂溶性ビタミンです。

このビタミンは、次の2つに分けることが出来ます。

  1. ビタミンAの形でレバーなどの動物性たんぱく質に含まれているレチノール、レチナール、レチニルエステル
  2. 緑黄色野菜などに多く含まれる色素であるβーカロテン、αーカロテン、βークリプトキサンチンなどのプロビタミンAカロテノイド

プロビタミンの「プロ」とは「前」という意味で、「これからビタミンに変化するものですよ」という意味です。

体内に取り込まれたレチノールなどはそのままビタミンAとして吸収されますが、プロビタミンAカロテノイドは体内で変換されて初めてビタミンAとして力を発揮します。

どちらも小腸で吸収され、肝臓に貯留されますが、ビタミンAには過剰症があるため定められた摂取量を厳守する必要があります。

なお、プロビタミンAカロテノイドは体内で必要な分だけビタミンAに変換されるので過剰症の心配はありません。

体内で変換されないカロテノイドは強い抗酸化作用免疫賦活作用をもちます。

働き

  1. 皮膚、口腔、胃腸、肺、気管支、膀胱、子宮などの上皮組織の分化に働き、これらの粘膜を正常に保つ。
  2. 免疫機能を維持し、風邪などの感染症に対する抵抗力を強化する。
  3. 生殖機能を維持する。
  4. 骨の発育を促進する。

こんな人におすすめ

  1. うす暗いところでものが見えにくい人(ビタミンAは目の網膜にある光の明暗を感じるロドプシンの主成分)
  2. 目の渇きが気になる人
  3. 風邪をひきやすい人
  4. 肌や髪の毛がパサついたり、傷んだりする人
  5. 爪がもろい人

補給法

ビタミンAは脂溶性ビタミンのため、水溶性ビタミンのように尿と一緒に排泄されないので過剰摂取に注意です。

過剰症の心配がないカロテノイドを組み合わせて摂取したい。

脂溶性なので、油と一緒に摂取すると吸収率が高くなります。

サプリメントで摂取するのであれば、できれば食事時の摂取がいいです。

さらにカロテノイドを補給する場合は、他のカロテノイドが混合されているマルチカロテノイドがおすすめです。

必要量(日本人の食事摂取基準2020年版)

日本人の食事摂取基準2020ではビタミンAについて推定平均必要量推奨量(0才児は目安量)、耐容上限量が設定されています。

ちなみにビタミンAは、レチノールなどとカロテノイドを合わせたレチノール活性当量(μgRAE/日)の単位を使用します。

また目安量・耐容上限量には、プロビタミンAカロテノイドは含みません。

 

日本人の食事摂取基準2015年版から2020年版で変更になった数値はでマークしています。

  • 推定平均必要量:50%の人が必要量を満たす量
  • 推奨量:ほとんどの人(97~98%)が必要量を満たす量。推定平均必要量を用いて算出される。
  • 目安量:栄養状態を維持するのに十分な量。十分な科学的根拠がなく「推定平均必要量」が算定できない場合に算定する。
  • 耐容上限量:健康障害の危険がないとみなされる習慣的な摂取量の上限。
  • 目標量:生活習慣病の予防を目的に目標とすべき摂取量。

 

ビタミンA の食事摂取基準(μg RAE/日)1

性別

男性

女性

年齢等推定平均必要量2推奨量2目安量3耐容上限量3推定平均必要量2推奨量2目安量3耐容上限量3
0~5(月) 3300600300600
6~11(月)400600400600
1~2(歳)300400600250350600
3~5(歳)350450700350500850
6~7(歳)3004009503004001200
8~9(歳)35050012003505001500
10~11(歳)45060015004006001900
12~14(歳)55080021005007002500
15~17(歳)65090025005006502800
18~29(歳)60085027004506502700
30~49(歳)65090027005007002700
50~64(歳)65090027005007002700
65~74(歳)60085027005007002700
75以上(歳)55080027004506502700
妊婦(付加量)初期 +0+0
妊婦(付加量)中期+0+0
妊婦(付加量)後期+60+80
授乳婦(付加量)+300+450
  1.  レチノール活性当量(μgRAE)
    =レチノール(μg)+β─カロテン(μg)×1/12+α─カロテン(μg)×1/24+β─クリプトキサンチン(μg)×1/24+その他のプロビタミンA カロテノイド(μg)×1/24
  2. プロビタミンA カロテノイドを含む。
  3. プロビタミンA カロテノイドを含まない。

欠乏症

  1. 乳幼児では、角膜乾燥症から失明に至る場合もある
  2. 成人では夜盲症
  3. 成長障害
  4. 骨及び神経系の発達抑制
  5. 上皮細胞の分化、増殖の障害
  6. 皮膚の乾燥、肥厚、角質化
  7. 免疫能の低下や粘膜上皮の乾燥などから感染症にかかりやすくなる

過剰症

過剰摂取による健康障害が報告されているのは、サプリメントあるいは大量のレバーの摂取などによるものです。

  1. (急性毒性)脳脊髄圧の上昇
  2. (慢性毒性)頭蓋内圧亢進、皮膚の落屑、脱毛、筋肉痛
  3. 肝臓へのビタミンA過剰蓄積による肝臓障害
  4. 妊娠初期では、胎児の催奇形性

 

最近では、推奨量の2倍程度以上のレチノールを30年以上摂取すると、推奨量以下しか摂取していない人に比べて、高齢者の骨折が2倍程度になるという報告もされています。

(ビタミンAは骨芽細胞を阻害し、破骨細胞を活性化することがしられています。)

多く含む食品

レチノール等は動物性食品に、カロテノイドは緑黄色野菜に含まれます。

主な食品

レバー、うなぎ、アナゴ、ホタルイカ、銀たら、モロヘイヤ、西洋かぼちゃ、人参、ほうれん草、春菊、にら、西瓜、干しあんず、トマト、とうもろこし 

まとめ

今回はビタミンAについてまとめてみました。

要約すると次の通りです。

  1. 脂溶性ビタミンのひとつ
  2. ビタミンAには、体内でそのまま使えるレチノールなどとビタミンAに変換して使われるプロビタミンAカロテノイドがある。
  3. 上皮組織の分化に働き、粘膜を正常に保つ、免疫機能の維持、生殖機能の維持、骨の発育促進などの働きがある。
  4. 推奨量は、成人で男性800~900μgRAE/日、女性650~700μgRAE/日。
  5. 耐容上限量は、男女ともに2700μgRAE/日。
  6. 欠乏症は、(乳幼児)角膜乾燥症、(成人)夜盲症、成長障害、骨及び神経系の発達抑制、上皮細胞の分化・増殖の障害、皮膚の乾燥・肥厚・角質化、免疫能の低下など。
  7. 過剰症は、(急性毒性)脳脊髄圧の上昇、(慢性毒性)頭蓋内圧亢進、皮膚の落屑、脱毛、筋肉痛、肝臓へのビタミンA過剰蓄積による肝臓障害、胎児の催奇形性など。
  8. レチノール等は動物性食品に、カロテノイドは緑黄色野菜に多く含まれる。

 

 

てんぱぱぱ
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脂溶性ビタミンは過剰症に注意しながら摂取していきましょう。

最後まで読んでいただいてありがとうございました。

 

コメント

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